立方体を切断した立体を作ろう(中1 空間図形)
- 教科・単元、キーワード
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- 算数・数学
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- 対話的な学び
- 校種・学年
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- 中学校
- 中1
- 校種間連携
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- 概要
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本時は,上記(2)イに対応する課題学習として位置付けている。その指導においては,平面上に表現された空間図形を読み取る際,見取図,展開図や投影図をそれぞれ別々のものとして取り扱うだけでなく,問題解決のためにこれらを相互に関連付けて扱い,図形の各要素の位置関係を調べることを通して,論理的に考察し表現する能力を培うことが大切であると考える。國宗(2007)及び近藤他(2011)を基に,本小単元における指導上の留意点を以下の4点に設定する。
Ⅰ 見取図,展開図,実際の立体との行き来や,投影や展開,切断などの操作を,目的意識をもって活発に行える適切な問題を取り上げる。
Ⅱ 直観的な判断を振り返り,論理的に考え,根拠を明らかにして説明させる。
Ⅲ 根拠を考えたり説明したりする際,空間図形が含む1つの平面に着目し,平面図形の既習内容を活用させる。
Ⅳ 考えたことを基にして実際に立体を構成し,考えが正しいかどうかを確かめさせる。
本時では,上記Ⅰ~Ⅳの留意点を踏まえ,空間図形を平面上に表現して平面上の表現から空間図形の性質を読み取ったりする教材として「立方体を切断した立体づくり」を扱う。問題は,「立方体を右図(図1)のように半分に切断した立体の展開図をかき,実際に作りなさい。ただし,切り口をふさぐ“ふた”もつなげて作ること。」(近藤他,2011)
を取り上げる。点J,Lは各辺の中点である。立体の展開図を正確に作るためには,生徒は投影や展開,切断などの操作を活発に行い,相互に関連付けて考える必要がある。特に,ふたがひし形になる理由を考察する際,図1の平面AEGCや平面IJKLに着目し,平面図形で学習したように記号を用いて説明することになる。
なお,ふたの考察には「対角線が垂直に交わる四角形はひし形である」などの条件が必要であるが,本時では小学校算数科での直観的な理解を基にした扱いとし,四角形の包摂関係を含め,演繹的な考察は第2学年「B図形」領域の学習で行うこととする。
また,ふたの平行四辺形AJGLの作図は生徒には難しいと予想される。したがって,対角線JLによって△AJLと△GJLに分けて作図すればよいという見通しを,生徒と教師とのやりとりを通してもたせられるようにする。
指導にあたっては,以下の点を重視したいと考える。
・ふたがどのような図形になるか,予想させる。[結果の見通し]
・何に着目すればふたの図形がわかりそうか,予想させる。[方法の見通し]
・ふたの図形やその作図方法を4人程度のグループで協調的に考えさせる。[協調的な解決]
・グループ活動に全体での活動を適宜組み込み,過程を板書に残していく。[プロセスの可視化]
・ふたがひし形である理由の説明を考えさせる。[言語活動(理由の説明)]
(・ふたの図形の作図する方法の説明を考えさせる。[言語活動(方法の説明)])
・必要に応じてポリドロンの立方体模型を渡して,観察させる。[空間と平面の行き来]
・本時で何がわかったのか,何ができたのかを振り返り,自己効力感を高める。[結果の振り返り]
(・本時で大切だと思ったことをワークシートに記入させる。[過程の振り返り])
10.本時の目標
・立体を作るために,見取図,展開図,投影図を用いて,立方体を切断してできた立体の性質(ふたがひし形になること)を見いだすことができる。
- コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 藤原大樹
- 論文・教材本文
- 学習指導案 ワークシート
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- 更新日時 2024-02-23 18:23:36
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