ついに完成!お茶高制服スラックス(2020年度 高校研究紀要 第66号)
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来年(2022年)創立140周年を迎える本校の制服の歴史は長く,学校説明会の中でも着物,袴からセーラー服,ブレザー・スカートへと移り変わった制服の変遷について紹介されている(図1参照)。昭和25年11月の創刊以来,「おちゃのみづ高校新聞」(現在は「お茶の水」に改称。以下「お茶の水」)には,幾度となく制服に関する記事が登場する。制服は,単なる機能性やデザイン性,経済性だけでは語ることができない意味や価値を包含している。
昭和43年12月23日発行「お茶の水」第129号には,「制服改定をめぐって ベルトをすてて新風を」と題した特集が組まれ,生徒,教官(独立行政法人化以降,教員)双方に制服改定審議委員会が立ち上がり,生徒と教官の溝,学年間の溝などを浮き彫りにしながら大きな制服改定運動に発展していったことが記されている。昭和44年5月23日発行「お茶の水」第130号「最終段階にいたった制服改定」には,「新学期。制服の決まらないまま一年生は入ってきた。その声は予想外に制服改定に批判的であり,昨年から推し進められてきたこの運動は新たな問題を抱えてしまった。」とある。いかに制服問題が長期化し,混乱した出来事であったかを物語っている。この問題は,セーラー服(昭和5年~)に校章バックル付きベルト(明治39年~)というスタイルが,奇異である,非機能的である,誤ったエリート意識の象徴であるといった生徒たちの不満の声に端を発しているが,実は学生紛争という時代の波に後押しされ,これまでの古い学校の体質を打ち破り,生徒たちの力で新しい何かを生み出そうとする起点となる出来事であったと解釈している。
和服から洋服に切り替わった時,戦時中で物資が不足し校章バックルをお国のためにと献納した時,戦後の経済的な余裕が生まれてきた時など,その時代の社会情勢を反映するように本校の制服も移り変わってきた。2020年12月,本校の制服に新たにスラックスが導入された。従来のスカートと導入されたスラックスを生徒が自由に選択できるようになっている。これは本校の制服の歴史に残る出来事である。ここにその経緯について報告しておきたい。
出典:2020年度 高校研究紀要 第66号, p.85-93. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属高等学校 土方伸子
- 論文・教材本文
- ついに完成!お茶高制服スラックス(2020年度 高校研究紀要 第66号)
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