環境に対する豊かな感受性を育む(1年次)(2008年度 幼稚園研究紀要)

教科・単元、キーワード
  • 保育
  • 探究力・活用力
  • 課題研究
  • 主体性
校種・学年
  • 幼稚園
校種間連携
概要

【全文をご覧になりたい方は、お問い合わせください。】
本園はお茶の水女子大学のキャンパス内に位置し、大学全体が育んできた自然環境の中で、都心とは思えないほどの豊かな自然に包まれています。園庭はこの大塚の地のもつ土地の起伏を活用して、変化に富んだ構成になっており、回遊式の日本庭園のごとく、四季折々の自然を楽しみながら、子どもたちが遊べるようになっています。昭和8年にお茶の水からこの大塚に移転したときに、当時の主事、倉橋惣三の理念を反映するかたちで園庭が造成されて以来、70年以上の年月を経て今日に至っています。
子どもたちは、日々過ごす園での生活のなかで、さまざまなあり方で自然環境と関わっています。その関わりは個人的なものから複数、そして集団によるものまで、子どもたちの多様な活動をしっかりと支えるものであり、また保育にとって非常に重要な側面であります。
子どもたちや保育者と深いつながりのある自然環境は、とくに日本人にとっては、人間の生活と一体化しており、自然に育まれながら生活すること、つまり自然と融和しながら生活していることを、私たちは、当然のこととして受け止めています。それゆえに自然を観察の対象として捉えることは、まるで自分の生活を自分の中で客体化して観察するのと同じぐらいに難しいことです。とはいえ、保育という教育活動を考えるときには、やはり、自然環境というのは、まさに「環境」すなわち「まわりに存在するもの」なので、自然環境を明確に人間の主体と切り離して考えるという、西洋的な思考もまた必要であり、そうするときにはじめて、自然がどのように子どもたちと関わっているのかを、具体的な事例を通じて考察することができると考えられます。
幼稚園はひとつの教育施設ですから、教育の「環境」を整備することはその大きな課題のーつです。建物の内外にある遊具などの道具を整えることも、たしかに環境の整備ですが、それだけでなく、自然環境の整備もまた施設面での重要な課題です。この研究では、子どもたちの園生活において、いかに自然環境が深く関わっているかを事例から考察し、子どもと自然との関わりのみならず、その関わりを支える自然環境自体を、保育という視点から検討しています。
平成20年度の研究を糸口とし、子どもと環境に関する研究をさらに積みかさね、豊かな感受性を育むために自然環境をどのように整えていくのかという課題について、今後にわたって取り組んでいきたいと考えています。

出典:2008年度 幼稚園研究紀要

コンテンツ担当者・著者

お茶の水女子大学附属幼稚園 宮里暁美・伊集院理子

論文・教材本文
【目次】 環境に対する豊かな感受性を育む(1年次)(2008年度 幼稚園研究紀要)
関連情報
環境に対する豊かな感受性を育む(3・4年次)(2011年度 幼稚園研究紀要) 環境に対する豊かな感受性を育む(2年次)(2009年度 幼稚園研究紀要)

この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています

  • 自ら育つ子どものための環境を考える(2019年度 全国国立大学附属学校連盟幼稚園部会 リーフレット)

  • 育育手帖 ~子育て中のおうちの方へ~ その1(2020年度)

  • 育育手帖 ~子育て中のおうちの方へ~ その2(2021年度)

アンケート

本教材・論文の感想をお教え下さい。



Q1.本教材・論文は参考になりましたか

参考になった   ←   どちらでもない  →   参考にならなかった


Q2.本教材・論文を活用して実際に授業等の教育活動を実践したいとお考えですか

実践したい   ←   どちらでもない   →   実践は考えていない


Q3.Q1、Q2でお答えになった理由や、本教材・論文に関するご意見ご感想など、ぜひお聞かせください


Q4.あなたご自身についてお教え下さい

ご所属:


職種:


*ホームページ等へコメントを掲載させていただくことがあります。ご了承ください。


  • 登録日時 2019-01-02 22:57:51
  • 更新日時 2024-09-04 11:35:14
  • ページビュー数 365回