保育の研究 第3巻(1998年度)
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本園は、120年余の保育の歴史を継承しつつ、日々の活動を、主体的に、創造的に展開してきており、このたび、『保育の研究』第3巻が刊行されることになった。大学における附属校園のありかたや幼稚園教育の動向とも対応させながら、毎年、実践研究の成果をまとめていくことは意義のあることである。これは園内で継続的に行われている保育カンファレンスを基盤として、実践と研究と養成を相即的に行うことのできる状況が整ってきたことの証ともなっている。
今年度の研究は、初年度のカンファレンス全体の経緯に関する研究、および咋年度の、ひとりの保育者の変容に関する研究に続くものであり、保育者の連携を手がかりにして、まさに保育の研究の発展のありかたを如実に示しているものである。保育者問の「連携」に関して言えば、担任の立場、フリーの保育者の立場、他のクラスの保育者の立場という、それぞれの立場をいかした三者関係的・相互媒介的な連携のありかたが提示されており、「考察」で挙げてある八つの変化は、実践にかかわっている研究者ならではの特色のある考察となっている。そして「カンファレンスが果してきた役割」として、本園の保育カンファレンスの意昧が、また新たな角度から明らかになっている。
この研究で述べられていることは、「私たち」を超えて、普遍的な保育の理念・方法に通じるものが含まれているのではないかと考える。人闇関係の視点にたって言えば、「保育に関する共通認識」をもとに、保育者間の人間関係を豊かにダイナミックに構築していくことは、個々の保育者がそれぞれ主体的に保育していけることにつながっており、日常の保育の問題にチームで取り組むことをも可能にし、保育者と子どもの関係、子どもたちの関係など、保育をめぐる人問関係が柔軟に、重層的に発展していく契機となっていくのである。
『保育の研究』は、本園での保育の実践および保育カンファレンスのまとめであるが、今後、その成果を、内外の保育の実践研究にいかせるような普遍的なものとして明文化していくことも必要になってくるのではないだろうか。附属校園の存在意義や保育界の諸課題とも関連させながら、本園ならでの保育カンファレンスが続けられ、さらに研究が充実発展していくことを願ってやまない。
出典:保育の研究 第3巻(1998年度) - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属幼稚園 田中三保子・桝田正子
- 論文・教材本文
- 【目次】 保育の研究 第3巻(1998年度)
- 関連情報
- 保育の研究 第2巻(1997年度) 保育の研究 第4巻(1999年度)
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