第6学年「てつがく」学習指導案「身近な疑問から「人間の命と蚊の命の価値は違うのか」」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小6
- 校種間連携
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- 概要
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子どもたちから哲学対話してみたい問いを紙に書いて出し合い,分類した。その中で,子どもたちの興味が高かった問いの1つが,「生命」に関係する内容だった。あらためて,「生命」というキーワードから,それに関連した問いを作る時間を設けた。子どもたちから出てきた問いの中で,特にみんなで対話したいとあがった問いは以下の通りである。
・人間の命と蚊の命の価値は違うのか ・なぜ人は簡単に死ねというのか ・なぜ男女の区別があるのか ・人間は他の動物の命を大切にしているのか ・胎児はどこからが人間なのか ・赤ちゃんは生まれたとき、何を考えているのか ・人は死んだ後何を考えるのか
本時ではこの中から一番話し合ってみたいという人数が多かった「人間の命と蚊の命の価値は違うのか」という問いでてつがく対話を行う。「人間の命と蚊の命の価値は違うのか」という問いを考えるには,前提となることを明らかにするために,複数の問いが必要になってくる。例えば,「命の価値に差はあるのか」「命を奪ってもよいのはどんなときなのか」「命の価値を計ることはできるのか」…といった前提となる問いを明らかにしていくことで,根源的な問いに迫ってくる。問いが対話の中で変化していくと考えられるが,その都度,教師が今何について対話しているのか論点を整理しながら,子どもたちとてつがく対話を楽しみたい。
「命の価値」についての問いは,簡単に答えがでる問題ではない。蚊と人間の命の価値について,直感では価値が違うが,論理的に考えると命に軽重をつけることは危険なこととなるだろう。この矛盾が今回の問いのおもしろさでもある。もし価値に違いがあるとしたら,その基準は何なのだろう。軽んじてよい命などないはずなのに,どうして蚊を殺すことに罪悪感を感じないのだろうか。罪悪感を感じる境界線はどこなのだろう。比べる対象が虫と人間ではなく,同じ人間同士だったら,「命の価値」に差はないのだろうか。直感と論理の間を揺さぶりながらゆっくり子どもたちと一緒に「命の価値」について探究していきたい。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.96. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 岡田紘子
- 論文・教材本文
- 第6学年「てつがく」学習指導案「身近な疑問から「人間の命と蚊の命の価値は違うのか」」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
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