第1学年「みがく」学習指導案「みんなは,どうおもう?」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- 社会情動的スキル
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小1
- 校種間連携
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- 概要
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本校の1年生は,4月当初から,ベンチを円形に並べ,肩を寄せ合って座り,自分の体験や興味のあるもの,日常の何気ない出来事を伝え合う「サークル対話」を行っている。話題の例として,昨日の夜に家であったこと・通学途中に見つけたもの・週末に家族で作ったもの・最近興味をもって観察を続けていること・学校で頑張って続けていること,等である。1学期の本学級の子どもたちは,自分の話を友達の前で発表することに満足感を覚え,とにかく話をしたくて仕方がない様子であった。2学期以降も,自分の話をしたいという気持ちは強いが,少しずつ友逵の話の内容に興味をもってもっと知りたいことを質問するようになってきた。「自分が話したいことを話すことができるし,ききたいことを質問しても大丈夫。」と,子どもたちが思い始めたのである。このことは,本校の低学年教育が目指す「安心して聞き・話す」子どもの姿の表れではないかと捉えている。
サークル対話では,「わかりやすく伝える,人の話に耳を傾ける,わからないことやもっと知りたいことは質問する,違う考えをもった人の話もきく」ことを大切にしている。友達の前で話すには,相手意識をもって話をする必要がある。きく立場になった場合は,自分が知らないことが話題になった時,興味がないからと聴くのをやめてしまっては,対話にはならない。知らないことが話題に上った時,それはどういうことだろうと素直に質問できるような雰囲気を作ることも重要である。例えば,きいたことのない言葉に出会うと「〇〇ってなんですか。」と質問をする。話題提供している子が説明できない場合,周りの子たちが代わりに説明する。このような過程を経て,語彙を獲得していく場面がこれまでも多く見られてきた。
これまでも数多くの話題をサークルで話してきた。本時では,それらの中から選ばれたより深めたい話について,サークルで話し合う。選ばれた話題については,その話題を選んだ根拠を明確にする。
サークル対話において「自分はこう思うけど,みんなはどう思うのだろう」という姿勢で話し合うことも大切にしていきたい。同じ話題について話をきいていても,受け取り方は人によって違い,その違いを楽しめることもねらいとしている。この時期だからこそ,素直に思ったことを表現できることもある。そういった子どもの気持ちを大切にしたい。本校の3年生から行っている「てつがく」科の授業でも,子どもが日々の生活の中で疑問に思ったことや不思議に感じたことを題材とする場合が多い。問いをもち,他者と対話していく基盤を築くという意味でも,本単元での活動が今後の子どもたちの成長につながるのではないかと期待している。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.94. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 廣瀬修也
- 論文・教材本文
- 第1学年「みがく」学習指導案「みんなは,どうおもう?」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
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