第2学年「みがく」学習活動案「つたえよう ききあおう」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 国語
- 総合的な学習・探究の時間
- 社会情動的スキル
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- コンピテンシー育成
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- 校種・学年
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- 小学校
- 小2
- 校種間連携
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- 概要
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本活動「つたえよう ききあおう」は,日頃子どもたちとは「つたえる」と呼んで行っている。この「つたえる」は,ベンチや牛乳パック椅子を教室の中央に丸く並べて座り,生活の中で見つけたことや感じたこと,興味をもったことなどを語り合い,聴き合う活動である。朝,登校してきた子どもたちが誰ともなく,教室の隅に片付けてあるベンチや椅子を出してきてサークルを作り,下校前の掃除の時間に片付けている。その間,ベンチは教室の中央に常に置かれているので,それを生かして生活の様々な場面で,サークルになって対話を行っている。朝の健康観察に始まり,1日の時間割を決める,この「つたえる」の活動,プロジェクトについて話し合う時,「えらぶ」と呼ばれる個別の学習で取り組んだことを発表し合う時,クラスに困った問題が起きたときに話し合う時など,様々な場面でサークルに集まっている。教科の学習でも,音読を聴き合う,話し合いをするなどもベンチに集まって話すこともある。
この「つたえる」は,拙いながらも子どもたちが司会をするなど,子どもたちの手で行っている。失敗を繰り返しながらも,子どもたちが真に主体的に活動ができるよう,私は見守り,困ったときにアドバイスができるよう心がけている。上述した他の場面でも,時には教師が主導することもあるが,そのようなときでも子どもたちが主体的に参加できる場にしたいと心がけている。そうした活動の中心となるのが,この「つたえる」である。この「つたえる」で大切にしたいことは,次の2つである。
一つは,子どもたちが何でも話して大丈夫だと感じ,聴き手も分からないことを何でも質問することができることである。子どもたちが「間違っているかも知れない」と思いながら,発表や質問を躊躇しないようにすることが重要である。そのためにも,教師が発表の順番を決めるのではなく,子どもが発表したいと思うタイミングでやってよいことにすることもまた,大事である。
もう一つは,聴き手を育てることである。これは,単なる姿勢の良さではなく,話し手の伝えたいことを受けとめようという姿勢を育てていくことである。そのために,発表後に質問の時間を設け,分からないことやもっと知りたいことを質問することを大切にしている。質問を通して,話し手は「これも話しておけば良かった」と感じ,「ここも伝えないと分からないんだ」という聴き手との距離感を知ることになる。聴き手は,質問の仕方を知り,話し手としての伝え方を知ることにもつながる。
発表後には「ふりかえり」を行っている。全員の発表が終わった後,一人ひとりの発表でどのような話や質問がされたかをふり返ることを通して,話し手は自分の話がどれくらい伝わっているかを知り,聴き手は聴いたことを話すことを通して,聴くことの大切さを知り,話の内容を思い出す場にもなっている。その後,発表から子どもたちが良いと思うものを1つ選び,それを子どもたちとともに文章にまとめる活動が共同推敲である。共同推敲された作品は,その後音読の学習材にもしている。「自分が話したことが文になる」ことは,子どもたちにとって書き表すことの大きな動機づけとなっている。
出典:第82回教育実際指導研究会(2019年度)発表要項, p.101. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 本田祐吾
- 論文・教材本文
- 第2学年「みがく」学習活動案「つたえよう ききあおう」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
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