第6学年「体育」学習指導案 「キョウソウプレーパーク」(2023年度 第86回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 体育・保健体育
- 探究力・活用力
- 社会情動的スキル
- 対話的な学び
- 主体性
- コンピテンシー育成
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- 校種・学年
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- 小学校
- 小6
- 校種間連携
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- 概要
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単元名にある「キョウソウ」は「共創」と「競争」の二つの意味をもつ。「プレーパーク」は一般的な公園とは違い,あらかじめ用意されている遊びや遊び場で遊ぶのではなく,そこに居合わせた子どもたちが,そこにある道具や場所を利用し,自由な発想で遊びを創り上げていく場である。「自由な遊び」について,ピーターグレイ(2012)は,「遊びをする人たち自身が何をどのようにするかを決定し,また遊ぶ過程で目標やルールを変更する自由をもっている遊び」と定義した。キョウソウプレーパークも,子どもたちが体育館にあるものを使い,その時の子どもたちの興味・関心をもとに自由に遊び場を設定していく。そのため,毎時間,プレーパークの様相は変化していく。
これまで,6年生は今の自分(たち)にあった課題に向き合い,学習内容を設定して取り組むといった子どもたちの学びの履歴がカリキュラムそのものとなるように進めてきた。(発表要項,2024 参照)。その中で,扱った勝敗を競う単元では,勝敗の結果に固執するあまり,ルールを無視してゲームに参加してしまう子どもがいたり,負けると極端に残念がり,勝敗を競うことそのものを楽しむことができなかったりする子どもがいた。
そこで今回は,あえて「競争」をテーマとした。これまで,自身と他者は同じ人間であるが,違う身体であることを子どもたちは理解してきた。しかし,互いの違いが前提にあるにも関わらず,競争となると互いの身体性は考慮せず,「平等性」のもと,一人ひとりが全く同じ条件で勝負することが当たり前となっている。それぞれが違う人である私たちは,互いに自分だけの身体的特徴を有しており,本来条件として平等を担保することは難しい。そこで今回は,勝敗を競うことそのものを楽しむことができるように,どちらが勝つか負けるかわからない「公平」な状況を子どもたち自身が互いの身体に配慮しながらルールを調整(アダプテーション)し,遊びを楽しむことを目的とする。アダプテーションを考えるという行為は,そもそも何を競っているゲームなのか,どうすれば公平な状況を創り出せるかを考えることである。体育をする共同体メンバーの身体に寄り添い,全員が楽しめる遊び場を構成し,結果に拘らない「競争」を経験することが,豊かなスポーツライフを実現することにつながるだろう。
チクセントミハイ(1996)は,自身の能力と挑戦課題の調整がとれた状況が最も「フロー」(最適経験)を得やすいと述べる。どちらが勝つか負けるかわからないハラハラドキドキのプレーパークで,勝敗を競うことを通して,結果ではなく,競っている瞬間を,運動することそのものを,これまで一緒に学んできたこのメンバーの関係性の中で夢中になって全力で楽しんでほしい。
出典:第86回教育実際指導研究会(2023年度)発表要項, p.127. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 和氣拓巳
- 論文・教材本文
- 第6学年「体育」学習指導案 「キョウソウプレーパーク」(2023年度 第86回教育実際指導研究会)
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