活用する力を身につける数学科授業の開発 ー1次関数における知識の活用場面に着目してー
- 教科・単元、キーワード
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- 算数・数学
- 探究力・活用力
- 校種・学年
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- 中学校
- 中1
- 中2
- 中3
- 校種間連携
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- 概要
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数学を学習しているすべての場面において、生徒1人1人が、何らかの形で既習の知識を活用しな がら、新しい知識へと発展させている。この知識の活用を授業の中に意識的に繰り返し取り入れることによって、知識の定着がより深まるだけでなく、知識の活用方法がわかり、授業外の日常の場面においても数学の授業で身につけた知識を活用することができるようになることを目指した。 本研究では、中学校第2学年の「1次関数」の単元において、既習の比例の知識を活用して、1次関数の知識へと発展させ、さらにその知識を他の問題場面に活用していく授業を2つ考案した。ーつは単元の導入で「水そうの問題」を取り上げた。この教材は、様々な教科書で取り上げられており、 生徒にとって取り組みやすい教材である。もうーつは、直線の式の求め方の導入時に時間と距離に関するグラフを教材として取り上げた。先の「水そうの問題」と違って難易度が高く、一般的には1次関数の活用場面で取り上げられることが多い。しかし、グラフを読み取る活動の中から既習の知識を活用する視点を引き出すことによって、既習の知識を活用するということそのものについて学んだ。
これら考案した授業を実践し、その効果を確かめるために2005年に行われた「特定の課題に関する調査(算数、数学)」の問題をもとにした調査問題を実施した。その結果を2005年の調査結果と比較し、授業の効果を検証した。その結果、正しいグラフを選択する問題について、日常事象における数量関係やそれらの変化の様子を与えられた情報から読み取り、それを適切に判断する力が身についてきたことがわかった。また、日常事象を数学的な視点から捉え、それを言葉で表現・記述する力もついてきたことがわかった。
本実践では単元指導計画の中でも特に2つの場面の授業に焦点を当てて実践を行ったが、本来は1次関数の単元全体をより系統的にみた計画、授業実銭を行っていく必要がある。また、中学校3年間を通した単元指導計画や教材開発を行っていくことも今後の課題としてあげられる。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 大塚みずほ
- 論文・教材本文
- J_K43_P27_OTSUKA.pdf
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- 更新日時 2022-11-01 16:51:12
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