サヴァ缶クッキングでエシカルアクション探し
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本題材は、本校の令和元年度から取り組んでいる研究主題である「振り返りを重視した探究的な学習のカリキュラム・デザイン ~自ら考え主体的に社会参画していく生徒の育成を目指して~」としての取り組みである。
本校家庭科では、「探究的な学習」に取り組むことによって、生徒が主体的に自分自身の取り組みを「振り返る」場面が生まれ、学習活動を自分事として捉えることにつながっていくと考えている。
そのための授業づくりとして有効であると考えていることは、学校行事や総合CD等の学習や他学年との横断的な学習を取り入れた「相手意識のある取り組み」、生徒が主体的に社会参画していく姿勢を養う「エシカル消費の視点を取り入れたカリキュラム」である。
そこで、これらの視点を意識した「エシカル」をテーマとした「探究的な学習」活動として「サヴァ缶クッキングでエシカルアクション探し」を設定し、生徒が自己の成長や変容を捉えながら課題を見いだしていくための効果的な「振り返り」の場面の検討に取り組み、「エシカルアクション」を自分事にしていくことができるかを実践、検討した。
本題材では、「エシカルアクション」をエシカルな暮らしや社会を実現するためにできることと定義し、「エシカルアクション」を自分事にしていくことをねらいとして、家庭での調理実践を通した探究的な学習に取り組む。
生徒が自分自身の生活や社会の中でどうありたいかを「探究的な学習」の中で生徒が「振り返る」場面を設定することで、今、自分ができる「エシカルアクション」について考え、自分事につながる気付きが得られるよう授業づくりに取り組んだ。
本題材の位置付けは、B衣食住の生活(食生活)とC消費生活・環境の学習内容の関連を図った生活の課題と実践である。対象生徒は、B衣食住の生活のうち食生活学習を2学年の1学期に取り組み、C消費生活・環境については1学年の3学期に学習している。
消費生活・環境の学習では、附属高等学校と本校の生徒との交流授業で附属高等学校の生徒からエシカル消費について教わり、自分にできるエシカルな行動について春休みに自分自身の生活を振り返りながら考えた。
2学年の最初の授業でお互いが考えたエシカルな行動や高校生からの教わった印象に残ったことをカード形式にまとめた「エシカルカード」を共有する学習に取り組んでいる。食生活の学習では、食生活と栄養や献立作りと食品の選択について学んだ。調理実習については、COVID-19感染防止対策により実施できていないため、作り方を確認したり、上級生の調理動画を視聴して肉や魚の調理で気を付けることや加熱による食材の変化を見取ったりして調理実習に向けてイメージを膨らませている。
本題材では、「サヴァ缶」を共通の食材として使った家庭での調理実践に取り組むことにした。「サヴァ缶(= Ça va?缶)」は、「(一社)東の食の会」と岩手県釜石市に工場をもつ「岩手缶詰(株)」と「岩手県産(株)」が東日本大震災の被災地三陸からオリジナルブランドの加工品を発信するために国産サバを使用したオリジナルの洋風缶詰として誕生したものである。
本校ではこれまで修学旅行で東北を訪れていたため、学校行事と関連のある教材としてサヴァ缶を扱い「エシカルなものづくり」の授業に取り組んできた。
被災地の商品であるサヴァ缶を食材として選択することは「地域への配慮」にもつながるエシカル消費であり、持続可能な開発目標(以下、SDGs)の目標12「つくる責任・つかう責任」等につながる「エシカルアクション」である。
生徒たちはエシカルな考え方や行動について附属高等学校の生徒から教わっているが、エシカルな考えや行動を自分事として捉え、実践している生徒は多くはなく、エシカルを捉える視点をこれから広げていく段階である。生徒たちはSDGsについて、家庭科の授業の他、様々な学習活動で学んでいる。
そこで、附属高等学校の生徒から教わったことを振り返らせ、サヴァ缶を共通の食材とした家庭での調理実践やその振り返りに取り組み、SDGsの目標と関連付けてエシカルアクションを考えさせることで、生徒のエシカルな考え方や行動の視野を広げていきたい。
生徒の学びの過程や変容を見取るために、毎回の取り組みをワークシートにまとめさせる。また、一人一台端末環境においてロイロノート・スクールをデジタルポートフォリオとして活用し、自分の考えや実践を思考ツールでまとめたカード、調理実践カードやエシカルアクションカードを蓄積したものを評価材として用いる。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 有友愛子
- 論文・教材本文
- R3公開研 家庭科提案授業実践報告 エシカルアクションカード(PWが必要です) 事前資料(PWが必要です) 当日資料(PWが必要です)
活用事例・コメント
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