複数の簡易実験を位置付けた標本調査の単元指導(中3 標本調査)
- 教科・単元、キーワード
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- 算数・数学
- 総合的な学習・探究の時間
- 探究力・活用力
- 対話的な学び
- 現代的な課題
- 主体性
- 校種・学年
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- 中学校
- 中3
- 校種間連携
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- 概要
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本研究では、「標本調査」単元において無作為抽出のよさを実感させる授業について検討した。(1)標本の多様な抽出方法の比較・検討、(2)実験・観察と「みなす活動」の重視、(3)指導の系続性、 (4)授業展開における PPDACの重視、の4つの視点で単元構成を行い、授業実践及び評価問題からその有効性を検証した。 その結果、授業においては、生徒たちは簡易実験などで実感を伴いながら無作為抽出を実施し、標本比率を核として母集団比率や母集団の大きさ、母集団の分布などの傾向を無理なく推測することができた。また、評価問題においては、目的に応じた標本の抽出方法の誤りゃ、母集団の大きさ を求めるために標本比率と母集団比率が等しいとみなしてもよい理由を、約9割の生徒が記述する ことができるなど、指導の効果の一端が確認された。
実験を通した指導においては、例えば、実験の目的や必要性を理解する過程や、カラーボールを 実物と見立てるために生徒とやり取りをする過程、カラーポールの色が偏るように意図的に袋へ入れるなどして、生徒から「かき混ぜる」「見ないで取る」などの無作為抽出につながる発言を引き出してそのよさに気付いていく過程を重視することが大切である。また、母集団が多いほど統計的にはより理想的な実験となるが、標本の大きさが60程度の簡易実験であっても十分に教育効果が期待できると本研究からは考えられる。今後、「標本調査」の単元指導へ、簡易実験の積極的な位置付けを期待したい。
キーワード:統計的思考力 標本調査 無作為抽出 実験・観察 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 藤原大樹
- 論文・教材本文
- 第98回全国算数・数学教育研究(岐阜)大会 発表当日スライド 第98回全国算数・数学教育研究(岐阜)大会 掲載論文 ICTを活用した標本調査の単元指導と評価についての論文(横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校個人研究論文) 第97回全国算数・数学教育研究(鳥取)大会 当日発表資料 第97回全国算数・数学教育研究(鳥取)大会 掲載論文 統計的思考力の育成を目指した 無作為抽出のよさを感得させる「標本調査」単元の指導と評価(2016年度 中学校研究紀要 第45集, p.63-75)
- 関連情報
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