ウクレレ演奏の楽しさを追究しよう~コード進行をつくって歌おう
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- 概要
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本題材は、第1学年から始めたウクレレの学習をもとに、自分が選んだ曲でコード弾きの練習をしたり、コード進行をつくって合奏したり、それに合わせた旋律をつくったりする活動を通して、ウクレレを「演奏できる楽器」として活用できるようになることをねらいとしている。
本校でウクレレを導入した経緯は以下のとおりである。
本校のこれまでの研究成果により、ヴァイオリン、三味線、ペグ三線の活用の授業は定着している。一方で、ギターは中学校器楽で扱う楽器であるにもかかわらず、全員が活用しきれない状態であった。それは、楽器が高価で一人一台の確保が困難なこと、弦を同時に複数個所押さえてコード弾きをすることに難しさがあり、特にFコードなどのバレーコードで挫折する場合が多いことが原因と筆者は考えた。そこで、注目したのがウクレレである。
ウクレレはコロナ禍で在宅時間が増えた昨年の一時期、演奏や弾き方講座の動画が多く配信され、一部ではブームになってきていた。現在、ウクレレを使った授業や活動は、インターネットで「ウクレレ授業」のキーワードで検索すると小学校、中学校、高等学校での実践が散見できる。やはり、コロナ禍の影響で昨年から増えてきていると予想できる 。
ウクレレは、ギターに比べて気軽に購入できる価格であること、長さが23インチ(コンサートタイプの場合)と抱きかかえられる大きさであること、指が痛くなりにくいナイロン弦4本で、4弦から順にG・C・E・Aにチューニングし、開放弦を弾くだけでもC6のコードが出せる、など、学習者の身近な楽器となる可能性が高いと筆者は考えた。また、ギターに比べ、C、F、Gの主要三和音のコードが押さえやすく、昨年度の実践から、初心者でも短時間でこの3コードを演奏できるようになることが明らかになった。特に、これまで楽器演奏を経験してこなかった学習者からウクレレは好意的に受け入れられ、技能的なハードルが低いと捉えられていることがわかった。
ウクレレはメロディ奏もできるが、コード弾きが中心であり、これまで実感を伴った理解が難しかった和音(コード)の概念にも実技を伴って親しむことができ、合奏はもとより、弾き語りや創作活動も可能となることが期待できると判断した。
本題材では、第1学年での学習を踏まえて、C、F、G7の主要三和音に加え、in Cで使うコードも使ってコード進行をつくり、学習班で共有して合奏をつくり、さらにコード進行に合わせて旋律をつくる活動を通して、ウクレレのコード弾きに慣れ、音楽を楽しむツールとしてウクレレに親しんでいけるようになることをねらいとしている。
コード進行をつくる活動は、C、F、G7を中心にDm、Em、Am等をつかって並べ方やリズムを工夫しながら弾いて確かめる探究的な活動が期待できる。「自分の好きなコード進行をつくる」というテーマが主体的な学びを引き出せると考えた。また、自分がつくったコード進行を学習班で共有し、弾き合い、それらをつないだり、組み合わせたりして合奏をつくる活動は、弾きながらアイディアを話し合い進めていく対話的な学びの場として設定した。さらに、そのコード進行に載せて即興的に鼻歌やスキャットで旋律をつくる活動は、コード進行の響きを聴きながら創造的な発想を働かせる音楽活動である。創作活動は、つくり上げた作品の良し悪しではなく、活動のプロセスを重視する。
コード進行をつくる際に、いろいろなコードのつなぎ方を、弾いて試しながら探す活動にこだわりをもって納得がいくまで取り組んでいるかどうかを観察と「授業の振り返り」の記述から見取る。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 中山由美
- 論文・教材本文
- R3公開研 音楽科提案授業実践報告
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- 更新日時 2022-11-04 07:25:02
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