世界の諸地域 (6)アジア州
- 教科・単元、キーワード
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- 社会・地理歴史・公民
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 中学校
- 中1
- 中2
- 校種間連携
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- 概要
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本単元は、通常であれば第1学年で取り扱う内容である(本校でも、本来は第1学年の3月に実施予定だった)が、ちょうどこの頃、新型コロナウイルスの感染拡大による話し合い活動の制限など、学習活動に様々な制約を受けていた。本実践は、「世界の諸地域」の学習の最後の単元として、それまでの学習の成果を活用し、話し合いや協働的な調査・まとめ学習を中心として実施する計画であったことから、単元の学習が始まってから急きょ、歴史的分野と地理的分野のカリキュラムの交換を行い、緊急事態宣言が明けた第2学年の当初に調査学習以降を実施したものである。 世界の諸地域の学習では、「資料を読み取ったことや、学習した様々な知識をもとに、これらを結びつけ、多面的・多角的に問題を考察する力」および、「社会の一員として、広い視野から課題解決の方法について考察・表現し、自分の意思を決定する力」の段階的な育成を図ろうとしてきた。アジア州の学習が始まる前に、それ以前の州の学習成果(各州の地域的特色及び地球的課題)を白地図にまとめ振り返る活動を行った。こうすることで、他地域についての知識を活用して比較しながらアジア州の特色を捉えることが容易になり、深い学びにつながると考えた。また、教師が説明する教材や、生徒が地球的課題を捉える資料に、今世界で起こっていることを多く反映させるようにして、わたしたちが生活する地球で今起こっている課題をどのように解決するかは、決して他人事ではないと意識させる工夫をしてきた。 アジア州の学習においては、このような学習の積み重ねを前提に、生徒が自ら資料を探し、州内の担当する地域(東アジア-中国、東アジア-韓国、東南アジア、南アジア、西・中央アジアのいずれか)について、地域的特色や地球的課題を見いだし、分かりやすくまとめ、生徒達自身が「授業」の形でクラスメイトに伝える「生徒授業」の形態をとった。アジア州に関わる内容を取捨選択したり、協働する中でどのような形の授業にするか話し合ったりして、一つの授業の形を作っていく形の探究的な学習を設定することで、生徒が自己調整をしながらより良い授業を模索したり、班員相互に協働することで、主体的・対話的で深い学びが実現するものと考えた。そして、このような一連の授業の後に、「アジア州の各地に見られる地球的課題で、最も早く解決すべきものは何か」考える授業を行ない、生徒授業で活動した班とは違うメンバーの班で話し合った後、個人で考える授業を行い、意思決定する力を育んだ。 なお、アジア州の学習において効果的・効率的に生徒が学習のまとめを作成したり、教師が学習状況を見取ったりできるような工夫として、Googleの「Classroom」およびの「スライド」のアプリを用いた。「Classroom」では、振り返りシート【資料】の配布・回収やコメント機能を用いることで、効果的に情報収集や評価を行うことができた。また、「スライド」を利用することで教師の資料提示や生徒の「生徒授業」での発表に使う資料の共同編集が可能となり、効率的に授業を進められた。
- コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 渡邊智紀
- 論文・教材本文
- R3公開研 社会科提案授業実践報告①
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- 登録日時 2021-10-22 12:15:23
- 更新日時 2022-09-27 09:57:37
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