社会的な見方・考え力を培う中学校社会科授業の開発 ~法廷劇『テロ』を通して~
- 教科・単元、キーワード
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- 社会・地理歴史・公民
- 探究力・活用力
- 校種・学年
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- 中学校
- 中1
- 中2
- 中3
- 校種間連携
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- 概要
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本稿の目的は,中学校社会科において求められる「公民としての資質・能力」を育成するために,「社会的な見方・考え方」を培い,活用できる授業デザインを提案し,筆者の実践に基づいてその有効性を明らかにすることである。
「社会的な見方・考え方」は,それらを構成する様々な視点を意識し,課題解決を視野に入れた学習内容を組み込むことを通して「働かせ」られるよう「育て」ていく必要がある。そのためには,生徒にとって切実な課題,特に個人の願いと社会の願いが合致しないようなジレンマ課題を設定することが有効である。
報告する実践は,単元「人権と共生社会」に位置付け,基本的人権の意義と人間の尊厳の意義を理解させるとともに,意思決定機会を保障することを通して生徒たちの社会的な見方・考え方を培うことを目標として設定した。法廷劇『テロ』を題材に,法務省より法律専門家を招き,裁判形式で討議する過程で,サッカースタジアムの観客7万人の命を守るためにハイジャック機を撃墜する判断を下したパイロットを生徒たちが有罪か無罪か判断する展開を試みた。
生徒たちが「個人の尊厳」以外にも,政治的,法的,倫理的等の様々な見方・考え方を自ら主体的に働かせ,社会的事象とその背景を多面的・多角的に分析し,より深く思考する場面が見られた点が成果として挙げられる。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 寺本誠
- 論文・教材本文
- 中学研究紀要49_p11-24
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- 更新日時 2022-10-31 13:45:21
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