中学校におけるヴァイオリン実技授業の試み(2017年度 中学校研究紀要 第46集)

教科・単元、キーワード
  • 芸術・美術・音楽・図画工作
  • 探究力・活用力
  • 対話的な学び
  • 主体性
コンピテンシー育成
校種・学年
  • 中学校
  • 中1
  • 中2
  • 中3
校種間連携
概要

本研究は、義務教育9ヶ年の音楽科の学習内容に、擦弦楽器の実技体験が含まれていないことに注目し、中学校音楽科で擦弦楽器の実技を実施することにより、歌唱やリコーダー等の吹奏楽器演奏時とは異なる新たな視点から、音符と音符の間にある「持続音」に対して表現の特徴に興味をもち、自らの表現や鑑賞の能力伸長につながる可能性があることを明らかにすることが目的である。本論文では、擦弦楽器の中で最も身近な楽器であるヴァイオリンの授業開発について述べる。特に、①演奏未経験の教師でも運営できるヴァイオリンの授業を開発し提案すること、②楽器が高価である点の問題解決として「1万円ヴァイオリン」が授業で活用できることの検証を目的とした。
研究成果は次の2点である。①演奏未経験の教師でも取り組める導入の4時間、発展題材の4時間の授業を開発できた。導入4時間は、身近な音楽やポップスナンバーを教材とした。初学者には開放弦でべース音、経験者は主旋律の演奏に割り振り伴奏と合わせる合奏を行った。左手の運指練習では、ギターや三味線を参考にしたTAB譜を開発し、運指や楽器の構え方、ポーイングの方法に短時間で親しめる授業を実施した。発展題材4時間では、「カノン」を他の楽器とアンサンプルする授業を実施し、生徒の活動の観察、授業後のふり返りの記述の検討から両題材の妥当性を検証できた。②「1万円ヴァイオリン」は、遜色なく授業で活用できる楽器であることがわかった。また、中学生は4/4サイズのため、備品として揃えやすいことがわかった。
キーワード:中学校音楽 ヴァイオリン実技授業 1万円ヴァイオリン 持続音の表現

※ 本研究は平成26年度科学研究費助成事業奨励研究(課題番号:26908034)及び、平成27年度科学研究費助成事業奨励研究(課題番号:16H00139)の助成を受けて行ったものである。

出典:2017年度 中学校研究紀要 第46集, p.47-66.

コンテンツ担当者・著者

お茶の水女子大学附属中学校 中山由美

論文・教材本文
中学校におけるヴァイオリン実技授業の試み(2017年度 中学校研究紀要 第46集)

この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています

  • 深い理解のための一人一実験によるマイクロスケール実験 ~「気体の発生と性質」の学習で~(2017年度 中学校研究紀要 第46集)

  • 続 変化する国語辞典とその活用(2016年度 中学校研究紀要 第45集)

  • 「理科の見方・考え方」の育成を図る実践 ―視聴覚機器,ICT の活用や,モデル実験を通して―(2018年度 中学校研究紀要 第47集)

アンケート

本教材・論文の感想をお教え下さい。



Q1.本教材・論文は参考になりましたか

参考になった   ←   どちらでもない  →   参考にならなかった


Q2.本教材・論文を活用して実際に授業等の教育活動を実践したいとお考えですか

実践したい   ←   どちらでもない   →   実践は考えていない


Q3.Q1、Q2でお答えになった理由や、本教材・論文に関するご意見ご感想など、ぜひお聞かせください


Q4.あなたご自身についてお教え下さい

ご所属:


職種:


*ホームページ等へコメントを掲載させていただくことがあります。ご了承ください。


  • 登録日時 2018-12-28 14:14:43
  • 更新日時 2025-05-29 11:33:39
  • ページビュー数 1420回