2 年 気象とその変化 「気温が 20℃も違うバレンタインデー」
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- 概要
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新型コロナウィルス感染拡大防止措置のため、登校が再開された後も多くの制約がある中で授業を行 わなくてはいけない状況が続いている。このような特別な状況であることを踏まえ、今年度第 2 学年は 生徒による観察、実験が比較的少ない単元「気象とその変化」から学習を始めた。単元前半は休校中であったため、オンデマンド型の遠隔授業で学習を行った。本実践を含む単元後半は、学校再開後一般教室で授業を行ったが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため生徒同士の対面での話し合いや活動ができない状況であり、一人一台配備されたクロームブックを活用して情報共有、意見交換を行いながら学習を進めた。具体的には、クラス全体、あるいは班ごとの情報共有、意見交換には Google Jamboard を、筆者からの課題の提示やそれに対する生徒の回答、提出にはGoogle Classroom の授業向けツールを用いた。
生徒が興味関心を持ち、主体的に学習に取り組めるようにするためにも、単元「気象とその変化」では、提示するデータはできるだけ最近の、可能であれば身近な地域のものを用いるようにしたい。尚且つ、気象庁のウェブサイトなどで実際のデータにアクセスして分析していく機会を大切にしたい。
本実践は、温帯低気圧の通過するルートと天気との関係について理解を深めることをねらいとしたものである。対象生徒の記憶に残っていると思われる過去数年以内の東京の観測データの中から提示する日を選び、温帯低気圧が日本列島の南側(太平洋側) を通過し東京で大雪となった 2014 年 2 月 14 日(図1)、 北側(日本海側)を通過し東京で春一番が吹いた 2016 年 2 月 14 日(図2)の天気図を提示した。両日共に中学生に 馴染みのあるバレンタインデーという点も、この日を選んだ理由の一つである。「気温が 20℃も違うバレンタインデ ー」のタイトルの通り、東京での日中の最高気温は 1.2℃ (2014 年 2 月 14 日 12 時)、23.0℃(2016 年 2 月 14 日午後 3 時)と 20℃以上も差が生じている点も興味深い。 どうしてそのような天気になったのか、気象庁のウェブサイトにアクセスし、実際のデータを見ながらその理由を見つけ出す作業は、本実践だけでなくこの単元内全般に渡って実践可能な探究活動の一つである。学習のために用意され、書式の整ったデータと向き合うだけでなく、実際のデータの中から必要な情報を入手し、理科の見方・考え方を働かせて複数のデータを比較し、共通点を見いだしたり関連付けたりしていく作業を積極的に取り入れることで、科学的に探究する力を養っていきたい。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 山本江津子
- 論文・教材本文
- 気象とその変化 「気温が 20℃も違うバレンタインデー」
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- 更新日時 2022-11-04 10:21:47
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