スケッチに色をつけていいか?
- 教科・単元、キーワード
-
- 理科
- 探究力・活用力
- 評価
- 校種・学年
-
- 中学校
- 中1
- 校種間連携
-
- 概要
-
本時では「生物の観察」のなかのスケッチの技能に関連した話題を扱う。従来のスケッチ指導におい て、「スケッチに色をつけてもいいか」という質問を受けることがよくあった。 たしかに、教科書にあるスケッチのかき方をみると、影をつけることや重ねがきをしてはいけないことが明確に書かれているのに対し、スケッチに色をつけることについては何も触れていない。しかし、 スケッチの例はすべて色がなく、色を使わないということが暗黙の前提であるように思える。 生徒の中には色をつけていいのか疑問に思っても、「本当はつけてもいいかもしれないけど、教科書のスケッチはみんなつけてないので、とりあえずつけないのが無難だろう」だと察して色をつけない者 も少なくない。だから「スケッチに色をつけてもいいか」という質問は結構関心が高い。 ところが、スケッチに色を使うことについては、「色をつけない」としている指導をしばしばみかけるものの(少数だが、色をつけてもよいとするケースもある)、国、あるいは国際組織、学会など、公的組織による規則、規格などのルールでスケッチに色を使うことの可否に触れているものは筆者の知る 限り存在しない。 そこで、今回は、スケッチについての 2 時間の遠隔授業で、その問いを生徒に投げかけた。1 時間目 は、教科書でスケッチのかき方を確認し、実際にスケッチを体験した後に、明確には規定されていない、生徒にとっては「正解がない」ということを先に提示した上で、「スケッチに色をつけていいか」を理 由をつけて考える活動を行った。生徒の考えは Moodle の「課題」機能で集め、それを教師の方で「色 をつけていい」 「色をつけてはいけない」両者の意見を整理し、 2 時間目の授業ではそれを生徒に示した。 先に「正解がない」と示すことで、どちらが正解かを意識せず、純粋に自分の頭で理由まで含めて主体的に考えられるようにしている。さらに、両者の意見を整理して提示することで他者の意見を知り、 もう一度自分で考えてみるように促すことで、深く学ぶことを狙った。
- コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属中学校 前川哲也
- 論文・教材本文
- 「生物の観察」
- 関連情報
- 「主体的に学習に取り組む態度」の 評価実践2例,教室の窓,Vol.62 pp.24-25
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2020-10-28 12:51:40
- 更新日時 2022-10-18 20:05:01
- ページビュー数 10785回