第4学年「図画工作科」学習指導案「分断を変換し,共に社会をつくる」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 芸術・美術・音楽・図画工作
- 探究力・活用力
- 社会情動的スキル
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- コンピテンシー育成
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- 校種・学年
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- 小学校
- 小4
- 校種間連携
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- 概要
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(1) 子どもたちの学びの履歴から (「遊びのデザイン」 2017 年 1月〜2月 2年生 )
本学級の子ども達は,2年生で「遊びのデザイン」を行った。そこでは自分たちの「居場所」について身体感覚を発揮しながら調査をした。その調査で「大事な居場所」として多く挙がったのが校庭の山であった。そこで「場」と自分たちの遊びという「行為」を振り返り「遊びの再創造」をねらいとして「遊びのデザイン」という題材を考えた。本来ならばそこでは関係する多様な「ユーザー」を対象にして考えていかなければならないが,当時は2年生ということで様々な制約は気にせずに,まずは自己の行為をふり返り,遊び場や遊びそのものをデザインした。
(2) デザインの授業で「埋もれた個」の問題に気がつく
今回は過去の題材をさらに広げ,多様な他者の存在を感じながらデザインをしたいと考えた。それは4年生のデザインの授業において教師が問いをもったたからである。昨年4年生に行ったデザインの授業では当初からデザインの対象になる「物」ばかりに目がいき,その物を使う他者の存在を考えず「ユニバーサルデザイン」や「障害者の為」等の言葉を遣い「知っているつもり」でデザインしようとする子どもが多くいた。その他者を感じない言動は,未知の他者を排除するような言動になっていると感じた為,教師(筆者)が途中で制止した。そして,まずは一人ひとりのユーザーが置かれた状況や背景,その人の個性や感情などを感じながらデザインを進めることにした。この時から教師(筆者)は,なぜ子ども達は他者をきちんと感じないのかと疑問をもち,そのような「埋もれた個」を生み出してしまう原因について考えてきた。その原因のとして,本校特有の表現である「〇〇学年の子ども達…」と学年の総称で子どもの傾向が語られたり,授業(学校)が社会と切り離されてしまったりしていること等が影響しているのではないかと考えた。このように本校では当たり前になっている状況が生み出す特有の問題が,知らず知らずのうちに,子どもや教師の思考(身体)にも染み込んでいるかもしれないと感じ「埋もれた個」について考えるようになった。
(3) 授業(学校)の問題と連動する,子どもの仲間関係に見られる「分断」の問題
そのような考えのもとで再度授業を見ると,集団の中に在る個の異質性が埋もれる事によって起こる見えづらい排除や分断は,自由な雰囲気がある「アトリエ」でも見えてくる。アトリエの子ども達は自由に行き来して交流しているが,学年が上がるにつれてその行き来が減少してしまいがちである。行き来する子ども達がいても,その行き先は男女や進路等が同じ仲間関係の他者であり,暗黙のうちに同質性に向かっているようであった。そしてその同質性の中で起こる小さな異質性の排除や分断があっても,同質性がその個々の問題を埋もれさせてしまっているように見えた。
そのような学校にある「分断」に目を向け、その分断をアートで変換し、他者と共に社会をつくる事が本時のねらいである。
出典:第82回教育実際指導研究会(2019年度)発表要項, p.133. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 小沼律子
- 論文・教材本文
- 第4学年「図画工作科」学習指導案「分断を変換し,共に社会をつくる」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
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