第5学年「てつがく創造活動」学習活動案「なにを“てつがく”しちゃおう」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- 道徳
- 探究力・活用力
- 社会情動的スキル
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小5
- 校種間連携
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- 概要
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(1)新教科「てつがく」から「てつがく創造活動」へ
「てつがく創造活動」では,自分たちの活動のなかにある葛藤や分岐点を意識し,自分の感覚を言葉にしたり,それを意味づけたりしながら,次の参加の仕方を少しずつ変化させていくような対話の場を経験することをねらいとしている。高学年では教科担任制をとっている本校において,週1 時間のてつがく対話は,その人なりの感じ方や経験を聴き合える貴重な時間でもある。そのため本学級では,創造活動とのつながりを意識しつつも,子どもたちが生活のなかで慣習的に理解していることばに立ち止まり(秘密,死と生),そこに内包されている諸価値(信用,恥ずかしさ,否定と批判,生まれ変わり,達成と諦め,孤独等)について対話することで,日常に埋め込まれた意味を捉え直してきた。
3学期はいよいよ,創造活動とのコラボレーションを試みる。5年生の子どもたちは,自分が追求したいテーマをじっくりと考え,それをもとに30 の小グループに分かれて,自分の関心にどうやって接近していくのか,”自分たちの想い”を形にする活動に取り組んできた。それぞれの葛藤を経験してきた子どもたちの2学期のふり返りからは,計画する,チャレンジする,つなげる,意見を聞く,データをまとめる,集中するなどの,その子の学びの実感を表すキーワードが抽出された。本題材は,それらの経験のなかから,多くの子が実感をもって語れるものを選ぶこととした。こうして選択されたキーワードが,「協力とチームワーク」である。
(2)協力とチームワークと……
協力やチームワークというと,共同体として一つになることがイメージされる。しかし,この言葉が挙げられた背景には,互いに違う存在として活動に参加しながら,自分と同じよう感じて欲しいという欲求と矛盾,全体の為に個の突出を抑えるという既存の価値観などがある。子どもたちがチームワークに込めた「協働」とは,差異の共有であり,違ったもの同士が共通の目標に向かうときの姿勢を示している。ここに,感じ方の違いを聴き合う面白さがある。
さらに,(1)で子どもたちがキーワードとして挙げた言葉は,互いにつながり合っている。協力について話しながら,それは聴き合うことであり,つなげることであり,判断することでもある。隣接概念を架橋しながら,他者の感覚を確かめ,分かり方を更新していく可能性のある題材である。
出典:第82回教育実際指導研究会(2019年度)発表要項, p.124. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 岡田博元
- 論文・教材本文
- 第5学年「てつがく創造活動」学習活動案「なにを“てつがく”しちゃおう」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
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