第6学年「てつがく創造活動」学習活動案「活動をふり返って」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小6
- 校種間連携
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- 概要
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6年生は,これまで自分たちの経験や学びから問いを立て,てつがく対話を繰り返すことで“てつがくすること”を自分のものにしてきた。生活や他教科の学習の中から問いを立てようとする姿からは,「てつがく」が子どもたちにとってより身近なものになってきたことが分かる。昨年度までの「てつがく」と「創造活動」が,今年度は「てつがく創造活動」となったことが,日常から生まれる問いや創造活動の中で出てきた課題について「てつがく」の時間に取り上げ考えを深めていくきっかけにもなっていった。
本学級では,クラス替えをしたばかりの新学期,「てつがくとは?」というテーマが子どもたちから自然にあがり,本学級の対話の文化をつくっていくために子どもたちは自分の価値観を伝え合ってきた。6月には,「このクラスは発言する人が偏っている。」「どうしたら全員の思いを聴くことができるのだろう。」という課題意識を持った児童の発言により,全員のてつがくへの姿勢や思いを共有することができた。「挙手は苦手だけれど,頭では考えているよ。」「2,3人でなら発言できるから,まずは少人数で話したい。」など対話の前提になるようなお互いの思いまで知ることができ,その後は全員が安心して話せる環境づくりも心掛けようという思いも見られた。このような問いを扱ったことで,てつがく対話が安心して参加できる場となっていったと考えられる。
3学期は,小学校の学びのまとめの学期でもある。子どもたちは,これまでの「てつがく」の経験を生かし,てつがくの視点をもって自分たちがしてきたことを問い直しながらふり返ることができるようになってきた。そこで,教科の学びや「てつがく創造活動」で取り組んだプロジェクト活動,さらには自分たちの「てつがく」の時間について,丁寧にふり返っていきたい。てつがく対話を通してこれまでの学びを問い直し,互いに意味付けることで,子どもたちは自分の成長をふり返ったり自分たちがしてきたことを捉えたりすることができるようになる。また,子ども同士で新たな問いを投げかけ,課題を見つけることで,小学校を卒業した後にもその子の学びがその子の中で深まり続けていくことを期待する。そして,小学校で自分のものとなった“てつがくすること”をふり返りに生かすという経験をすることで,それぞれの思いが深まり,今後も“てつがくする”目をもって自分自身を問い直し,新たな課題を見つけることができるようになることを願っている。
出典:第82回教育実際指導研究会(2019年度)発表要項, p.113. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 川口有美
- 論文・教材本文
- 第6学年「てつがく創造活動」学習活動案「活動をふり返って」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
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