パフォーマンス課題を活用した保健体育の授業開発と効果の検証 ―ワークショップ提案型の体つくり運動の授業を通して―

教科・単元、キーワード
  • 体育・保健体育
  • 探究力・活用力
  • 対話的な学び
  • 主体性
校種・学年
  • 中学校
  • 高校
  • 中3
  • 高1
  • 高2
  • 高3
校種間連携
概要

平成29 年に告示された学習指導要領では、教科等の目標及び内容を資質・能力の3 つの柱で再整理すると共に、資質・能力の育成に向けて「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を進める必要性が示された。資質・能力を育み、生涯にわたって能動的に学び続けられる子どもの育成を目指す「主体的・対話的で深い学び」の視点をもとにした授業づくりに向けて筆者が着目したのがパフォーマンス課題である。コンテンツ・ベイスの教育からコンピテンシー・ベイスの教育へのシフトが進む現在、パフォーマンス課題を活用した授業の効果を検証することの意義は大きい。しかし、パフォーマンス課題を活用した授業の成果を分析した研究はまだ少ない。
そこで、本研究では中学校体つくり運動領域においてパフォーマンス課題を活用したワークショップ提案型の検証授業を行い、その効果を明らかにすることを目的とした。分析方法には形成的授業評価分析、ルーブリック評価分析、自由記述分析、指導言語分析の手法を用いた。
検証授業の結果、形成的授業評価が授業の経過とともに高い水準で上向きに推移する傾向が見られたことや自由記述分析結果から授業の核となるキーワードについて深く考えたことが生徒の学びの中心となったことが明らかとなり、本実践を通して生徒が主体的に運動に取り組み、ねらいとなる運動の本質について考えを深めたことが示唆された。また、ルーブリック評価分析や指導言語分析からは、パフォーマンス課題を活用した授業を実践する上で重要となる評価基準の共有や教師行動の課題も明らかとなった。
本研究で実践した、体つくり運動領域におけるワークショップ提案型の授業は、資質・能力を育むことにつながることが示唆されたが、パフォーマンス課題を活かした授業の質を高めていくためにはルーブリックの共有や内容の設定、生徒の創作的な活動を支える教師行動などについての更なる研究が必要である。
キーワード: 中学校体育授業、パフォーマンス課題、ワークショップ、巧みな動き、体つくり運動

コンテンツ担当者・著者

お茶の水女子大学附属中学校 佐藤吉高

論文・教材本文
研究紀要48_p43_SATO

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  • 登録日時 2019-07-22 11:52:00
  • 更新日時 2022-10-31 16:00:05
  • ページビュー数 2288回