第5学年「社会」学習指導案「外国人労働者問題について考えよう②」(2018年度 第81回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 社会・地理歴史・公民
- 探究力・活用力
- 対話的な学び
- 現代的な課題
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小5
- 校種間連携
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- 概要
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(1)【場面設定】: 「時事的な社会事象について,他者との差異や葛藤を生じる問題」を扱う内容
(2)人口減少問題と外国人労働者問題
人口減少に伴い生産年齢人口比率も2065 年には,現在の60.7%から51.4%にまで落ち込み,働ける人が二人に一人の時代がやってくる。今や日本は,農業,工場,介護,コンビニ,居酒屋という幅広い分野で,外国人労働者なしには日本経済が成り立たないところまできている。政府は,12 月に外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法案改正案を今国会で通過させ2019 年4月から外国人の受け入れを拡大する。その数は,農業で1万8000 人~3万6500 人,自動車整備で6000 人~ 7000 人,介護で5万人~6万人である。日本人が就労を敬遠する3Kといわれている分野での外国人労働者の数が増えている。外国の人に安い賃金での「労働力」を求めるだけで「ひとりの人間」として受け入れていないことが大きな問題点である。私たち日本人の中に知らない間にある,差別感の表れかもしれない。大切なことは,外国の人たちと共に生きていく,すなわち「共生」であると考える。共生社会を目指していく中で,これからの日本の国のあり方として,日本の人たちがつきたがらない分野の仕事を外国の人だけに任せていってもよいのか否か,未来の日本を生きる子どもたちとともに真剣に考えたい。
(3)具体的な「判断の基準」から概念化された「判断の規準」へ
本問題を判断する際に,子どもたちはまず,事実やデータに基づいた具体的な「判断の基準」をあげる。具体的な「判断の基準」から,具体的な「判断の基準」の論拠となる価値や概念を含む概念化された「判断の規準」に高めていく学習を目指したい。価値や概念に関しては社会的知識が少ない子どもたちなので,指導者が価値付けを促しながら議論を深めていきたい。そして,最終的には,妥当性のある社会認識をふまえた,市民として必要な「判断の基準(規準)」を生み出していける授業を展開していきたいと考えている。
出典:第81回教育実際指導研究会(2018年度)発表要項, p.130. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 佐藤孔美
- 論文・教材本文
- 第5学年「社会」学習指導案「外国人労働者問題について考えよう②」(2018年度 第81回教育実際指導研究会)
- 関連情報
- 第5学年「社会」学習指導案「外国人労働者問題について考えよう①」(2018年度 第81回教育実際指導研究会)
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