製図の導入~2次元と2.5次元と3次元~
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製図の学習を行うにあたり、生徒が難しいと感じる点のひとつが、三次元のものを二次元に移す際に立体感を出すことができず、図面上で立体が変形してしまうことである。そのような図面は立体を映すように描いたものではなく、実際の立体をつぶしたようなものとなり、奥行きや線の結びつきが無茶苦茶にしたような図面になってしまっている。しかし、生徒は図面に対して違和感を感じることはできるが、なぜ違和感を感じるのか、正しい図面と並べて比較しても違うのはわかるがどこが違うのかがわからない、という状態になってしまう。そのため、図面を見ることはできても書くことができない生徒が一定数出てきてしまう。
そこで今回の単元では、製図の導入として製図がどのようなものかを知るだけではなく、先ほど述べた生徒が図面に対して感じる違和感をなくしていくようにしていくことを目的とすることにした。そのために立体と図面だけでなくCAD(Computer-Aided Design)を用意し、すでにできているものを確認してそれぞれを結びつけようと考えた。
今回の授業では三次元の立体と二次元の図面をつなぐものとして、CADを2.5次元と位置付けることでそれぞれを結びつけることで、生徒が三次元と二次元をスムーズに行き来できるようにさせたい。特に立体とCADを結びつけることで、立体と図面を一気にやり取りするよりも、立体を平面に映すとどのような絵になるのか、図面を立体に戻すのを意識しやすくなると考えている。そして、生徒が図面を描く・読み取る際にCADのようなものをイメージできれば作業がよりスムーズに行うことができる。
また、立体的に図を見る・平面的に立体をとらえる力をつけることは今後製図を行っていく上で必要になるだけではなく、新学習指導要領の『生活や社会の中から技術に関わる問題を見いだして課題を設定し~』にもあるように、実際にあるものを解析して評価・改善するためには、まずはものを正確に認識する力が大前提となってくる。立体をつくれるようになることやそのための技術も大事だが、製図の学習をすることはものを正確に認識する力をつけるためにも今まで以上に重要度が増していると考えている。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 平地義武
- 論文・教材本文
- H30公開研 技術科学習指導案改(平地)
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