ヘルスリテラシーを育むNIE活用の可能性―「スクラップノート」作成を例に―(2017年度 高校研究紀要 第63号)
- 教科・単元、キーワード
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- 体育・保健体育
- 総合的な学習・探究の時間
- 探究力・活用力
- SGH(スーパーグローバルハイスクール)
- 対話的な学び
- 現代的な課題
- 主体性
- 校種・学年
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- 校種間連携
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- 高等学校
- 大学
- 概要
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本校は文科省よりSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定され、平成26年度から5年間にわたる研究開発に取り組んでいる。2年生の総合的な学習の時間では、グローバルな社会的課題の発見・解決を目指し、探究的な学習を行う「持続可能な社会の探究Ⅰ(以下、探究Ⅰ)」を実施している。探究Ⅰには複数の講座が設定されており、生徒は自ら設定した探究テーマに応じて講座を選択できるようになっている。私の担当する「生命・医療・衛生(以下、生命)」講座では、生命倫理・保健医療・公衆衛生等に関するテーマを扱い、生徒は年間を通して探究活動に取り組んでいる。SGHの概要や各講座の活動内容、生徒の探究成果については、本校が発刊しているSGH研究開発報告書、生徒研究論文集及び研究紀要等をご覧いただきたい。
さて、「生命」講座を受講する生徒のうち、1年次の保健の学習内容から興味関心を抱いたことや疑問に感じたこと、より理解を深めたいことについて調査し、さらに掘り下げて考えたいというきっかけから本講座を選んだ生徒も少なくない。また、本校は医歯薬学系、保健衛生系の進路を選択する生徒が毎年一定数おり、自身の志望するキャリアと密接な関わりがあることから、「生命」講座で意欲的に学習・探究する生徒が多くみられる。したがって、2年次の探究Ⅰ(探究活動)との接続性や親和性を意識しつつ、1年次の保健の授業づくりや教材開発を視野に入れていくことが求められよう。
しかし、探究Ⅰで「生命」講座を選択する意欲的な生徒のみを対象しているわけではなく、自身の希望進路と関係のない生徒に対しても保健の授業を通じて健康に関する知識を身につけ、生涯を通じて健康な生活が送れるよう、魅力的な授業を提供しなければならない。ところが、現状では週1回の保健の授業を毎回心待ちに1週間を過ごしている生徒はいずれにせよ少ないのではないだろうか。そこで、保健への知的好奇心が高い生徒も、そうでない生徒にも、保健に対する興味・関心を持続させつつ、ヘルスリテラシーの育成へとつなげていける実践について検討を重ねた結果、NIEの活用にポシビリティーを感じ、年間を通したスクラップノート作成の継続的な指導へと行き着いた。本稿ではこれまでの実践を振り返り、保健における新聞活用の可能性を探るとともに、スクラップノートの作成が生徒の保健学習に対する意識や学び方にどんな影響を及ぼしたのか、またヘルスリテラシーの育成にどういった効果がみられたのかをまとめ、成果と課題及び今後の展望について報告したい。
出典:2017年度 高校研究紀要 第63号, p.133-143.
- コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属高等学校 佐藤健太
- 論文・教材本文
- ヘルスリテラシーを育むNIE活用の可能性―「スクラップノート」作成を例に―(2017年度 高校研究紀要 第63号)
- 関連情報
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