第4学年「国語」学習指導案「その人の声はどこから?」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
-
- 国語
- 探究力・活用力
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
-
- 小学校
- 小4
- 校種間連携
-
- 概要
-
4年生は,思考の様式が変化し始める転換点である。子どもたちの話し言葉や書き言葉を見聞きして,大きな違いを感じるのは,自分を表出する喜びとして話して(書いて)いるのか,他者に伝えるという目的意識をもって話して(書いて)いるのかの違いである。
10歳を迎えた子どもたちは,経験をプライベートなものとしてしまっておくようになってきている。また,ノートや日記作文の記述は,背景や根拠・筋道立てた表現は意識されにくく,自分が考えたことを「伝える」ためのことばになっていない。
そこで,書き言葉を媒介として他者のことばに意識を向ける単元を構想した。本単元での「声」は,書き手が表そうとする想いを言い換えたものである。どのことばから書き手の「声」を感じるのか,書き手が工夫している点は何か,自覚的に聴く場を重ねることは,私の表現を公に開いていくことにつながる。表現が他者に開かれることによって,「伝えるためのことば」を自覚的に選んでいくのである。
毎時間の授業では,前半に書き手の「声」を感じたり,書き方が意識されるような場面,後半に聴いたことを生かしながら自分の作品に向かう場面を設ける。作品を仕上げていく過程は個別指導を中心にするが,子ども同士の学び合いができるように,表現形式やテーマによって,学習グループを設定する。
作品のテーマは「十歳の今(仮)」とする。幅の広いテーマとしたのは,題材や表現形式を選んで書けるようにするためである。表現形式は,紹介文(得意なことや好きなものについて具体的なエピソードを用いて知らせる)説明文(関心をもったことについて,問いを立てたり例を挙げたりして説明する)物語文(一人称視点から書かれた物語の冒頭のような文章)の三つを想定している。
この単元で最も大切にしたいのは,自分の表現に足りなかったものを自覚し,それを取り入れようとすることである。それぞれが「今の自分」を意識しながら表現を更新できる授業について,個の活動と他者の声を通して考えたい。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.112. - コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属小学校 岡田博元
- 論文・教材本文
- 第4学年「国語」学習指導案「その人の声はどこから?」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2018-12-31 15:11:33
- 更新日時 2024-06-04 16:50:08
- ページビュー数 324回