第2学年「国語」学習指導案「どうあらわそうか」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
-
- 国語
- 接続
- 探究力・活用力
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
-
- 小学校
- 小2
- 校種間連携
-
- 概要
-
2年生は,1年生よりサークル対話を行っている(課題別部会「低学年教育部会」参照)。サークル対話は,子どもたちが生活の中で見つけたことや感じたこと,興味をもったことなどを話し発表後に質問をしたり,発表と関連した聴き手の経験が話したりしている。全員の発表が終わると,発表を振り返りながらお気に入りの発表をえらび,その内容を板書して全員で推敲を行っている(共同推敲)。そして子どもたちは皆で推敲して作りあげた文章をノートに視写し家庭で音読をしている。
1学期当初は,まだ「昨日,家族でレストランに行きました。何か質問はありますか。」といった発表もあったが,そうした発表だとお気に入りの題材としてえらばれない。そうした経験をしていくうち,4月末頃には話される内容の量と質が高まってきた。昨年度の1年生でもそうだったが,「自分が語ったことが,文として残る」ことが,書くことや書く内容の充実への動機になっている。もちろん,尻込みをする子もいるが,ひたすら発表するのを待っていると,ある日,はっとする文章を書いてくる。
えらばれる題材にも,傾向が見られるように思う。1学期に特に多かったのは,ものを持ち込んでの発表である。家で工作を作った話なら,作ったものが目の前にあると聴き手はイメージがしやすい。それだけでなく,持ち込まれたものに対するエピソードや思い入れが伝わる話だと聴き手も共感し,お気に入りになる。また,どこかに出かけた話よりも,ごく日常,学校や家庭でのエピソードの方がイメージしやすいためか,発表者に寄り添うように受けとめることができ,題材としてえらばれる傾向がある。
共同推敲は,昨年度の実践を振り返り,①漢字やひらがなの表記,②文章の句読点,③文章の表し方の順で進めている。この進め方で,少しずつ文を深く読み込めるようにできると考えている。また,板書量も内容や文章の質によって調整して進めている。特に,②句読点を考えることを通して,意味を考えながら読点を考えるようになり,それが意味で段落を捉える力を育て,段落構成を考える学習にもつながっている。共同推敲の最後は,題名を考えている。これは,話し手が一番伝えたいことが何か,話の中心をつかむことが大切である。題名を考えることで,自然と話の中心を意識できるようになっている。
最近は,句読点を考える前に文章の修正点に気付くようになってきており,授業の進め方を少し悩んでいる。また,ことばを別のことばに置き換える,文章を言い換えることもできるようになってきている。これらが過去の共同推敲で学んだことを生かしたものであることも,「〇〇くんが発表した時にやったんだけど…」と言った発言から見てとれる。子どもたちは過去の発表や共同推敲をよく憶えていて,エピソード記憶として発表と学びが紐ついている。こうした活動を通して,子どもたちは語られることばや表現が豊かになってくるとともに,サークル対話が学びになっているという有用感ももてている。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.111. - コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属小学校 本田祐吾
- 論文・教材本文
- 第2学年「国語」学習指導案「どうあらわそうか」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2018-12-31 14:58:28
- 更新日時 2024-06-04 16:40:30
- ページビュー数 275回