第2学年「みがく」学習活動案「どうあらわそうか」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- 接続
- 探究力・活用力
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小2
- 校種間連携
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- 概要
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2年生は,1年生よりサークル対話を行っている(課題別部会「低学年教育部会」参照)。サークル対話は,子どもたちが生活の中で見つけたことや感じたこと,興味をもったことなどを話し発表後に質問をしたり,発表と関連した聴き手の経験が話したりしている。全員の発表が終わると,発表を振り返りながらお気に入りの発表をえらび,その内容を板書して全員で推敲を行っている(共同推敲)。そして子どもたちは皆で推敲して作りあげた文章をノートに視写し,家庭で音読をしている。
サークル対話では,分からないことをよく質問をする。ことばの意味を尋ねるものであったり,発表内容を深めるものであったりする。また,2年生になると,発表者が話した内容に関連した聴き手自身の話をするようになり,時には「ちょっと話がズレるかもしれないんですけど…」と言いながら話をすることもある。語彙が豊富になってきて,ことばだけで話を理解し解釈していることが分かる。このように,子どもたちは発表を通して語義を共有し,内容を皆で理解する対話が行われている。
サークル対話後の共同推敲は,特に文章の句読点の検討と文章表現が適切かを中心に行っている。子どもたちは句読点の検討を通して,意味を考えながら読点をうつ場所を考えるようになり,それが意味で段落を捉えることや段落構成を考える学習にもつながってきた。共同推敲の最後は,題名を考えている。題名を考えることで,自然と話し手が一番伝えたいことや話の中心を意識できるようになっている。
この共同推敲では,よりよい文章にするために,ことばや文章を言い換えたり,文の順序を入れ替えたりと,色々なことを試行錯誤しながら進めている。教師は,子どもの意見に耳を傾け,まずやってみる。上手くいかないと,子どもたち自身が「これじゃだめだ」ということに気付く。逆に,より良い表現になった時には「いい!」と言う声があがり,発表の主も満足そうな顔をする。そこで,教師が子どもの学びを位置づけ,ことばの意眛や表現の仕方について整理している。
あることば/文章について,何通りものことば/文章を出しながら検討し,皆で1つの文章にしていく。こうした共同推敲の学びを支えるのは,子どもたちにとって「自分たちで学びをつくっている」という有用感があることだと思う。最初に述べたように,共同推敲をした文章はノートに視写され,音読の学習材となる。子どもたちにとって共同推敲された文章は,いわば教科書となるのである。だから,よく聴いてえらび,こだわって表現をつくっていくのである。その学びの中に,ことばの意味を問い直し,また共通了解する「てつがく」の学びがあると考えている。さらには,子どもたちが自分たちで学びを創ることを学んでいるのではないだろうかと考える。教師は,そこでともに学ぶ伴走者でありたい。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.109. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 本田祐吾
- 論文・教材本文
- 第2学年「みがく」学習活動案「どうあらわそうか」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
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