保健の授業で育成される資質・能力に関する一考察 ―生徒の自覚するエージェンシーについて(2024年度 日本保健科教育学会第9回研究大会)
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- 概要
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コンピテンシー育成開発研究所の提唱する10のコンピテンシーの「エージェンシー」について、保健の授業で育成する資質能力と共通する部分がある。そこで本研究では、生徒からみた保健の授業を通して育成された「エージェンシー」に焦点を当て、生徒はどのように保健のエージェンシーを自覚しているのか、また、その育成の具体的な取り組みを検討することを目的とした。生徒に質問紙調査を行い、1年間の保健の授業を振り返り、身についたものや意識したものについて「エージェンシー」の項目に記述したものをKH Corder(樋口,2004)を用いてテキスト分析をおこなった。
その結果、高校1年生保健の授業において、過半数の生徒が「エージェンシー」の育成を意識していることが明らかになった。その「エージェンシー」とは、身の回りを見る視点が変化することと捉えている傾向にあることがわかった。そのために、正しい知識を身につける姿勢や複数の他者の視点を想像することができるようになる必要があると考えていることがわかった。他で示されるようなエージェンシーの定義と異なり、今すぐに行動しなくともいつか行動するための種のようにして残っていること自体をエージェンシーと捉えているようだった。また、個人の生活習慣の変化など自己の変容もエージェンシーと捉えていた。課題解決やグループ学習などを用いることはエージェンシーの育成には有効だが、効果的になるような教員の手立てが必須であることも示唆された。
出典:丸山実花(2024)「保健の授業で育成される資質・能力に関する一考察 ―生徒の自覚するエージェンシーについて―」日本保健科教育学会第9回研究大会発表予稿集, p.29.
※ こちらは、2024年12月22日(日)に開催された日本保健科教育学会2024年度第9回研究大会で口頭発表を行った際の要旨です。
※ 本研究は、2024年度コンピテンシー育成開発研究所連携研究員の業務の一環として行われた。 - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属高等学校 丸山実花
- 論文・教材本文
- 保健の授業で育成される資質・能力に関する一考察 -生徒の自覚するエージェンシーについて(2024年度 日本保健科教育学会第9回研究大会)
- 関連情報
- 解説(お茶の水女子大学教育学研究者より) お茶の水女子大学 コンピテンシー育成開発研究所
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