第4学年「算数」学習指導案「倍の考え(小数・分数)」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)

教科・単元、キーワード
  • 算数・数学
  • 探究力・活用力
  • 対話的な学び
  • 主体性
コンピテンシー育成
校種・学年
  • 小学校
  • 小4
校種間連携
概要

発表要項p.111に示した学習指導案(pdfファイルの学習指導案)では、160cmの紙テープを提示し、“160㎝の紙テープから50cmの紙テープをとっていく”問題場面としていたが、下記のようにハンバーグを作る場面に変更した。
「ハンバーグのたねが160gあります。1このハンバーグを作るのに、50g必要です。ハンバーグは 何こできますか。」
問題に対する式は160÷50=3あまり10となり、答えは3こ(10gあまる)となる。しかし、「小数のわり算」の学習でわりすすむ経験をしていることから、160÷5=3.2と計算し、3.2こと考える子も予想される。問題に照らすと答えは前者と言える。それを確認した上で、後者のような考えについて、単に誤りとして済ますのではなく、その意味を考えていくことをしていく。

もともとの“160㎝の紙テープから50cmの紙テープをとっていく”場面の方が、測り取るイメージがしやすく、かつ、測り取っていく紙テープの長さ(50cm)とあまりの長さ(10cm)の比較から、3.2や0.2の意味を考えやすいのではないかと考えた。しかしながら、一方で、テープという題材や実際に紙テープを示すことで、子どもたちの思考や表現を限定してしまうのではないかとも考えた。
これまでの学習経験から、問題場面をテープ図で表し、考えていくことが予想される。まずは、これまでの学習経験をいかしながら、場面や式に対する自分の捉えを、自由に図に表し考えることを促しながら、皆で考えを進めていきたい。
160÷5=3.2については、例えば160gから50gを測り取っていくと、3こ分取れて10gあまる。そのあまりの10gと1こ分の50gを見比べ、0.2の意味を考えていくようにしたい。そして、図と関係づけながら、「0.2は50gを1とみると、あまりの10gは0.2にあたるということ」や「50gの1/5は10gになるから、50gを1とすると、10gが1/5(0.2)にあたる」といった見方をしながら、0.2や3.2の意味を捉えていければと思う。その際、必要に応じて、“何と何を比べ、何を1(もとにする大きさ)としているか”を問い、明確にしながら、0.2や3.2という数値を、関係(倍)を表す数として捉えていけるようにしたい。
そして、複数の考えが出された時(自分と異なる考えに出あった時)、それぞれの考えの正しさについて、もともとの問題に照らし合わせて判断するとともに、異なる考えや式について「どうしてこのように考えたのだろう?」「これにはどのような意味があるのだろう?」と、他者の言葉を聴き、図等と関係づけながら解釈してプロセスを大切にし、そのように考える姿勢を育んでいければと思う。

出典:第87回教育実際指導研究会(2024年度)発表要項, p.111.

コンテンツ担当者・著者

お茶の水女子大学附属小学校 久下谷明

論文・教材本文
第4学年「算数」学習指導案「倍の考え(小数・分数)」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)

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  • 登録日時 2025-07-08 14:56:29
  • 更新日時 2025-08-02 22:28:50
  • ページビュー数 86回