第4学年「理科」学習指導案「温まり方の違い」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 理科
- 探究力・活用力
- 対話的な学び
- 主体性
- コンピテンシー育成
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- 校種・学年
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- 小学校
- 小4
- 校種間連携
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- 概要
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実験の目的は仮説の審判である。本単元では,金属,水,空気の温まり方の違いを調べる実験の仮説設定を可能にするため,次に示す先行的了解を実験に先立って子どもたちが獲得できるよう指導した。
・認識①:固体である金属は形が変わりにくいが,流体である水や空気は自由に形を変えること
・認識②:同体積で比べると,温度の高い水は温度の低い水より軽いこと(金属や空気も同様とする)
認識①は「水の三態変化」で学んだ固体,液体,気体の特徴を想起しながら,液体と気体の共通点を取り上げることによって,認識②はものの「温度と体積の変化」の学習の発展として,同体積で温度の異なる水の重さを測定することによって,第1次に獲得できるようにした。なお,同体積で温度の異なる水をそれぞれ蓋付きのカップに閉じ込めて常温の水に入れると,温かい水の入ったカップは上に動いて浮いたままであるのに対し,冷たい水の入ったカップは底に沈む事実の観察も行い,認識②に伴う水の動きをイメージできるようにした。このような先行的了解は,「金属は形が自由に変わらないから熱したところから順に温まる」が「水や空気は自由に動くことができるため,熱したところが周りの部分より軽くなると上に動くから,上から順に温まる」といった仮説設定を可能にした。
仮説と実験法から論理的に結果の予想が立てば,選択的注意をもって(ノイズを無視して)事実を観察することができ,予想した結果と実際の結果の一致によって実験の成功を判断できる。実験は闇雲に多くの事実を収集する目的で行うのではなく,予想した通りの結果を得ることで仮説の正当性を高めるために行う。
出典:第87回教育実際指導研究会(2024年度)発表要項, p.104.
文献:比樂憲一(2015)「理科授業における学習者の概念構成に関する検討―小学校4年『もののあたたまり方』の授業実践を事例として―」福岡教育大学大学院教職実践専攻年報, 5, 119-126. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 比樂憲一
- 論文・教材本文
- 第4学年「理科」学習指導案「温まり方の違い」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)
- 関連情報
- 比樂憲一(2015)「理科授業における学習者の概念構成に関する検討―小学校4年『もののあたたまり方』の授業実践を事例として―」福岡教育大学大学院教職実践専攻年報, 5, 119-126.
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