第5学年「理科」学習指導案「振り子の運動」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
-
- 理科
- 探究力・活用力
- 対話的な学び
- 主体性
- コンピテンシー育成
-
- 校種・学年
-
- 小学校
- 小5
- 校種間連携
-
- 概要
-
実験には仮説の存在が欠かせない。本単元では,振り子の周期を調べる実験の仮説設定を可能にするため,単元冒頭で次に示す先行的了解を子どもたちが獲得できるよう指導した。
・認識①:振り子の周期は,おもりの「速さ」と「移動距離」の視点から考えられること
・認識②:振り子の始点と終点は同じ高さになること
・認識③:おもりの「速さ」は,重さによって変わらないが,高低差によって変わること
認識①と②は天井から吊るした振り子を使って,認識③は自由落下するボールの観察によって,それぞれ第1次に獲得できるようにした。このような先行的了解をもとにすることで,子どもたちは「振り子のおもりの重さを変えても,おもりが移動する距離や速さが変わらないから,1往復する時間は変わらない」や「振り子の長さを長くすると,おもりの移動する速さは変わらず,移動距離が長くなるので1往復する時間も長くなる」,「振り子の振れ幅を小さくすると,移動距離が短くなるがおもりの速さは遅くなるので,1往復する時間は同じになる」といった仮説の設定が可能になった。
授業では複数の仮説が競合する場面も想定される(比樂・遠西,2021)ため,仮説が実験結果を予想する正確さや仮説の合理性の理解といった認知的側面に加え,仮説を支持する人数やそこに属している子どもの特徴,教師が授業終末に行う科学理論への公知といった社会的側面も機能するよう計画した。
出典:第87回教育実際指導研究会(2024年度)発表要項, p.104.
文献:比樂憲一・遠西昭寿(2021)「概念転換方略による振り子の運動の指導に関する事例研究―教室における認知的葛藤と社会的相互過程―」『理科教育学研究』,第62巻,第1号,323-330 - コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属小学校 比樂憲一
- 論文・教材本文
- 第5学年「理科」学習指導案「振り子の運動」(2024年度 第87回教育実際指導研究会)
- 関連情報
- 比樂憲一・遠西昭寿(2021)「概念転換方略による振り子の運動の指導に関する事例研究―教室における認知的葛藤と社会的相互過程―」, 理科教育学研究, 62(1), p.323-330.
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2025-07-08 14:56:29
- 更新日時 2025-07-23 12:48:01
- ページビュー数 212回
