「つくる」がうまれる暮らし(2023・2024年度 幼稚園研究紀要)
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- 概要
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本研究では、子どもたちの「つくる」プロセスに着目した。つくり始めるまでの子どもたちの心の動きを追いながら、教師間で対話を重ね、保育の基盤にある教師のまなざしや、「つくる」を支える「もの・空間・時間」の保障について考察を深め、まとめを導き出した。
【はじめに 園長 小玉亮子】
このごろ、空き箱がとても気になります。また、牛乳パックも気になります。以前は、お役目をおえると、箱はたたんで、牛乳パックは開いて洗って干して、そして資源ごみでした。でも、今は資源ごみには見えなくなってきました。というのも、幼稚園では、それらにたくさんの可能性があり、さまざまなものにうまれ変わっていることが大切にされているからです。
幼稚園では、毎日いろいろなものがつくりだされています。空き箱も、牛乳パックもどんどんいろいろなものに、うまれ変わっていきます。空き箱はお家になり、牛乳パックは電車になります。そして、家や電車が走っている街ができていくのです。ちなみに、幼稚園での牛乳パックの電車はというと、東京駅に停まっているような13両や15両もある電車になったりするのですが、しかもそれが廊下を疾走しています。
もちろん、それだけではありません、お庭の葉っぱや椎の実や砂場の砂、様々な紙やテープ、そういったものも、次々に変身していくのです。こうして、いろいろなものがつくりだされ、その姿を変身していく中で、そのつくり手たちも変容していきます。幼稚園の「つくる」という行為は、つくられるモノも、つくり手のヒトもともに変化していくプロセスです。
今回の研究テーマは、この「つくる」に焦点をあてたものです。そして、重要なことは、この「つくる」というテーマは、これまでの、「透明」や「道具」といったテーマの積み重ねの上にあること、そしてこのような「つくる」プロセスは、自然発生的に生まれるものではないことだと思います。幼稚園では、「子どもへの願い」を基本として、教育課程を作成され、そして、研究テーマを探る記録、日々の記録、園内研究会の記録といったものにみられる、先生たちの対話の積み重ねの中で、「つくる」ということが支えられていることだと思います。
今回の研究がこのような形でまとめられたこと、そして、これが広く皆様のお手元にとどくことを大変嬉しく存じます。そして、お読みくださった方々から忌憚のないご意見をたまわれますことを祈念して、次の課題に取り組んでまいりたいと考えています。
出典:2023・2024年度 幼稚園研究紀要
- コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属幼稚園 高橋陽子 佐々木麻美 田村郁
- 論文・教材本文
- 【目次】「つくる」がうまれる暮らし(2023・2024年度 幼稚園研究紀要)
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