第6学年「国語」学習指導案「「生きる」とは」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 国語
- 探究力・活用力
- てつがく
- 対話的な学び
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小6
- 校種間連携
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- 概要
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多くのことを柔軟に吸収できる小学生のうちに様々な他者と出会い異なる考え方に触れることは,その子の世界や可能性を大きく広げてくれる。直接話を聞いたり多くの人に出会ったりするのが難しくても,「読む」ということがそのことを可能にしてくれる。これが,国語の学びのよさの一つであり,出会った文章がその子の人生に影響を与えるということは教師が期待していることでもある。
6年生になり,子どもたちは自分の進路を選択する上で将来について考える機会が多くなった。その度に自分自身の生き方に向き合い,その過程ではなかなか思いを持てずに葛藤し悩む姿も見られた。そこで,子どもたちが自分の生き方を考える際に国語の学びが少しでも助けになればという思いから,年間を通して「生きる」をテーマに学びを重ねてきた。
1学期には,『サボテンの花』(やなせたかし),『生きる』(谷川俊太郎)を学習し,4月の時点での一人ひとりにとっての「生きる」を詩の形式にならって記録した。子どもたちは,「今を楽しむということ」「感謝するということ」「くやしいということ」等,考えていた。2学期には,『宇宙時代を生きる』(野口聡一),『海のいのち』(立松和平)の学習を通して考えを深めていった。どちらも「「生きる」についてさらに考えを深めるために,どの作品を学習したい?」と問い,子どもたちが教科書から選んだ教材である。3学期には,『プロフェッショナルたち』を学習した。この教材に取り上げられている3人やそれ以外の人の文章を読みその生き方を知りながら「生きる」についてまとめてきた。
これらの学びをふり返ることで,子どもたちはどのように自分を見つめ直すのだろうか。昨年度までの「てつがく」,そして今年度の「てつがく創造活動」の研究によって育まれてきた「問うこと」や「振り返ること」を日ごろから大切にしている6年生とともに一人ひとりの「生きる」について考えていきたい。また,卒業を目前にしたこの時期に改めて自分にとっての「生きる」を考えることで,4月の“わたし”から“新しいわたし”へ自己が更新されていることに気付かせたい。(変化したことに加え,変わらないものの大切さも意識させながらより思いが強まったことも含めて更新と捉える。)
1年間の国語の学びの全てが,子どもたちの「生きる」を深めることにつながることを願っている。
出典:第82回教育実際指導研究会(2019年度)発表要項, p.105. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 川口有美
- 論文・教材本文
- 第6学年「国語」学習指導案「「生きる」とは」(2019年度 第82回教育実際指導研究会)
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