条件を変えても同じことがなりたつか?(中2 三角形・四角形)

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概要

本時で扱う「2つの正三角形」は,構造が単純で発展性のある本単元の定番教材である。対象生徒が用いている教科書では章末の数学的活動の教材として扱われている(東京書籍p.155 右図)。図形の向きや図形の種類など,条件を変えても同じ結論が成り立つ上,その証明においては「変わるもの」と「変わらないもの」が視覚的にも捉えやすいため,統合的・発展的な考察に適している。
右図では合同な三角形は「∠ACB=180°でなかったらどうなるだろう?」と生徒が自ら疑問にもつような展開が仕組みにくいという課題があったので,これを克服しようと,図の向きを変えたり,図形を動かしたりして,様々な場合の証明とそれらの関連を検討し,次の流れを軸とすることとした。(藤原,2019)
     ( ※ 詳細は本文を参照 )
導入では大小2つの正三角形を重ねたおにぎりのような図を提示し,生徒にPB=QCを予想,実測させ,すべての生徒を参加させる。次に横から見たブランコのイメージで点Aを中心に△APQを回転移動させて特殊化した図をつくり,PB=QCの証明を考え,図形を動かす前後で比較し,「同じ部分」と「違う部分」を見いだしていく。さらに,これらの活動を通して,その間の場合(上図の「メインの図」や「発展②」,「発展③」)においても同じことが成り立つのかについて気になり始めることを意図して展開を生徒とともにつくっていく。これを踏まえ,第2時では,正三角形以外の図形ではどうか,新たな問いを探究していく。
本時においては,新たな数学の問題を見いだす際には,場面を要素に着目して捉えたり動的に捉えたりすることが有効であること(知識・技能)に,一連の数学的活動を通して気付かせたい。このことを経験的に理解することにより,生徒が数学を固定的なものではなく創造的なものとして捉えていくきっかけとなり得る。新たな数学の問題を発見し解決する連続的な行為は特別な人間しかできないのではなく,「私にもこうすればできそう」「さらに調べてみたい」という具体的な見通しや態度につながり(学びに向かう力,人間性),生徒一人一人による数学的な探究の実現に貢献するものと考える。その上で,上級学年でゆくゆくは,その後の様々な数学的活動を積み重ねることで,新たな問いを見いだすために場面を特殊化したり分類したりして考察できるようにしたい(思考力・判断力・表現力等)。そのような学習の基礎となるのが本時である。
本時では,活動において,場面を要素に着目して捉える,場面を動的に捉える,場面を単純化して捉える,場面を分類して捉える,などのうちのいくつかを生徒から意図的に引き出したり教師から提案したりするとともに,一連の過程を振り返ってそれらを自覚化できるようにする。このことは,生徒が見通しをもって新たな数学の問題を見いだせるようになるために必要であると考える。その前提には,生徒が新たな問いを見いだしたくなることが大切あり,そのためには教師による教材研究と仕掛けが不可欠である。

5 本時の目標
証明を読んで新たな性質を見いだし,統合的・発展的に考察し表現することができることができる。

コンテンツ担当者・著者

お茶の水女子大学附属中学校 藤原大樹

論文・教材本文
学習指導案、板書、生徒の記述 ワークシート 他校で実践したときの学習指導案(1時間扱い)と板書計画と実際の板書 他校で実践したときのワークシート

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  • 登録日時 2020-02-18 17:43:20
  • 更新日時 2023-03-11 08:36:26
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