父さんたちのタイムカプセルを探せ!(中1 基本的な作図)
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本時では,次の問題に取り組ませる.
問題 海辺にある宗方中学校では,卒業記念にタイムカプセルを埋めて,卒業してから30年後にみんなで掘り起こすことになっています.
かおるさんとふじおさんのお父さんたちはこの学校の卒業生で,卒業のときに埋めたタイムカプセルを掘り起こそうとしましたが,詳しい場所を書いた紙をなくしてしまいました.
困っているお父さんたちを助けるために,かおるさんとふじおさんは,お父さんたちの話から宗方小学校の地図をつくって場所を探すことにしました.その場所は特定できるでしょうか.
話題と地図のモデルは,瀬戸内海に浮かぶ大三島(現・愛媛県今治市)に実在した大三島町立宗方小学校である.宗方小学校は昭和61年に閉校し,当時の校舎が近隣地域の小中学校の宿泊研修施設「大三島少年自然の家」として使用された後,現在は一般宿泊施設「大三島ふるさと憩いの家」や映画ロケ地として活用されている.本時は,卒業や廃校の話題から導入し,問題提示の後,生徒に次の話と地図(図1の作図痕無し)を提示する.
お父さんたちから聞いた話
① 校舎の3ヶ所の端(地図上のA,B,Cの地点)から等しい距離にある点をとった.
② その点から,木(地図のDの地点)に向かって直線をひいて,ちょうど100mの距離の場所にタイムカプセルを埋めようとした.
③ ところが,その場所は海の中になってしまうので,校庭の柵(地図の辺PQ)を対称の軸として,反対側の校庭に埋めた.
上記①の情報を基に,点A,B,Cから等しい距離にある点Eを特定するために,点A,B,Cを通る円の中心を作図すればよい.例えば線分AB,線分BCの垂直二等分線を引いて,その交点が点Eとなる.ここでは,上記①の情報から垂直二等分線の作図が必要となる根拠を説明させたい.なお,必要に応じて点に記号を付ける経験を事前にさせておき,生徒自らに点Eと記号化させたい.
次に,上記②の情報から,点Eから点Dに向けて半直線を引き,校庭の横の長さの100mを用いて移し,海の中に点Fをとる.等しい長さを異なる位置に移すときにはコンパスを用いるという基本的な操作について確認したい.
最後に,PQを対称軸として線対称な位置として,タイムカプセルを埋めたとされる点F’を特定する.一連の活動を振り返り,作図の手順を説明する機会を設け,基本的な作図を用いて考察したことを表現する力を伸ばしたい.
- コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属中学校 藤原大樹
- 論文・教材本文
- 第2回数学授業づくり研究会の当日配付冊子の原稿(日本数学教育学会)
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