第6学年「算数」学習指導案「数の拡張」(2017年度 第80回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
-
- 算数・数学
- 探究力・活用力
- 校種・学年
-
- 小学校
- 小6
- 校種間連携
-
- 概要
-
6年生の3学期は,小学校の学習をまとめる時期である。これまで,学習してきた内容を振り返ることで,中学校での数学の学習へとつなげていきたい。そこで本単元では,これまでの学習では答えを出すことのできなかったひき算に着目し「負の数」について扱うことで,ひき算などの計算について振り返り,数に対する理解を深めることをねらいとする。
「負の数」は,気温など身近なところで使われている数であり,子どもたちにとっても普段から目にすることのある数である。そのため,子どもたちは「負の数」という数の存在に疑問をもつことは少ない。なかには,「負の数」に関する計算の仕方も決まっていて,いつか教えてもらえるものと考えている子もいる。
一方で,「負の数」を数の拡張の観点から考えると,ひき算をいつでもできるようにするために生まれた数と捉えることができる。本単元では,自分たちで新しい数を考えることができるのだということを子どもたちに経験させたい。このことは,数の拡張という考え方そのものを子どもたちに理解させようということではない。既習の数や計算と関係づけながら,新しい数について明らかにしていくという活動を通して,これまでの学習を振り返る機会としたい。
本時では,天気予報の気温について扱う。天気予報を見ていると,今日の気温が「-3℃」になるという「-3」と,前日の気温と比べると3℃下がっていることを表す「-3」という,同じ「-3」でも異なる意味合いで使っていることがある。このような場面を子どもたちに提示し,それぞれの「-3」が何を意味しているのかを考えさせる。前者は,数直線と関係づけながら,0よりも左に位置する数として捉えることで子どもたちは理解することができるだろう。しかし,3℃下がったことを示す「-3」についてはすぐに理解することは難しい。例えば,昨日の気温が5℃で今日の気温が2℃であった場合「-3」と表示される。しかし,これまでの学習では,5℃と2℃の違いは「3」であった。そこで,2つの「-3」を比較したり,場面を図や式に表したりしながら,「-3」という数の意味の拡張を促す。さらに,「5-2」「2-5」といった式と関係づけることで,ひき算の意味を振り返り,答えが負の数になる場合を考えるだけでなく,これまで「3」と見てきたものを「+3」と捉える素地にしたいと考える。
出典:第80回教育実際指導研究会(2017年度)発表要項, p.115. - コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属小学校 河合紗由利
- 論文・教材本文
- 第6学年「算数」学習指導案「数の拡張」(2017年度 第80回教育実際指導研究会)
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2019-01-05 10:12:16
- 更新日時 2024-06-07 14:26:58
- ページビュー数 371回