第4学年「てつがく」学習指導案「大きくなるっていうことは」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
- 教科・単元、キーワード
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- 総合的な学習・探究の時間
- 道徳
- 探究力・活用力
- 社会情動的スキル
- てつがく
- 対話的な学び
- 現代的な課題
- 主体性
- 校種・学年
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- 小学校
- 小4
- 校種間連携
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- 概要
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単元名「大きくなるっていうことは」は,中川ひろたかさんの絵本をもとにしている。以前に行った2年生の国語で,自分の考える「大きくなるということ」を書き,出されたものを並べ替えて絵本作りをする際の学習材としたものである。本学級の子どもたちは昨年度の3月,「成長するってどういうこと」という問いで,自分の考えを文集にまとめている。そこでは,「できないことが練習などを通してできるようになること」または「その時の頑張りや苦労」が成長であるとし,その具体例を書いていた。
このように,同じ「成長」を扱う単元でも,発達段階ごとにそこで語られる具体や対話に関わる価値内容は変化していく。4年生になった子どもたちに,成人式の折にこの絵本を読み聞かせすると,「去年の『てつがく』でやった」と言いながら,書かれたことには様々に違いが表れていた。「~ができるようになる」は1/5で,「人のことを考える」「挑戦できる」「強くなる」などが出された。
「大きくなる」には,以前より進歩するという過去からの視点(自己・感情への関わりが大きい)と,大人になるとどう変わるのかという未来への視点(他者・社会との関わりが大きい)が含まれている。さらに,末来への期待感と不安感を加えると,図のように整理できる。
子どもたちは「悔しさを乗り越えてできるようになる」など,少し先への期待を語ることが予想される。そこでは,「頑張れない」「諦めたい」といったマイナスの感情とどうやって向き合っているかを語っていくことになるだろう。そこに4年生が成長について語り合う意味がでてくるのではないか。「現在の自分が感じている期待と不安」について,経験をもとに,個々の感じ方を語りながら,少しだけ他者や社会との関わりに視点を広げていくことを大事にしたい。
また,子どもたちにとっての「てつがく」が自分事として生活につながるよう,対話を通して語られたことが「みんなの考え」として共有される過程を大事にしたいと考え,本題材を扱うこととした。
出典:第79回教育実際指導研究会(2016年度)発表要項, p.110. - コンテンツ担当者・著者
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お茶の水女子大学附属小学校 岡田博元
- 論文・教材本文
- 第4学年「てつがく」学習指導案「大きくなるっていうことは」(2016年度 第79回教育実際指導研究会)
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