高校生は探究学習のなかでどのように熟議したか ―高等学校公民科「公共」における授業のコミュニケーションの分析研究―(2025年度 日本社会科教育学会第75回全国研究大会)
- 教科・単元、キーワード
-
- 社会・地理歴史・公民
- 総合的な学習・探究の時間
- 探究力・活用力
- SDGs(持続可能な開発目標)
- 対話的な学び
- 現代的な課題
- 評価
- 主体性
- コンピテンシー
-
- 校種・学年
-
- 高校
- 高2
- 校種間連携
-
- 高等学校
- 大学
- 概要
-
授業のなかでの話し合いの過程そのものを検討し、それが熟議的だったのか、どのようにして熟議が成立したのかを解明することを目指して、高等学校公民科「公共」における探究学習を事例として分析した。
分析の結果、次の三点が見出された。第一に、生徒たちは探究の課題に取り組むなかで、なぜそのように考えるのか、意見の正当性を相互に問い合う。自分の意見を主張するということは、他者にその主張の根拠を問われるということであり、それは正当性を発揮する機会であると同時に、反省性を生じさせる契機となる。つまり、発話の進行中に正当性から反省性へとつながる場面がみられた。
第二に、正当性を相互に問い合うなかで反省性が発揮されるとき、一瞬の間(ま)が生じる。それは生徒の内省の機会である。そしてその内省によって、間が生じる場面に共通の基盤が構築されることを顕著に観察することができた。
第三に、間を切り拓くための発話は、直前までの話し合いとは異なる、遠く離れた以前の対話におけるトピックが改めて拾われる。できるだけ異なった観点や立場を包摂して課題を検討しようとする再帰的な会話が交わされることにより、熟議が深まっていく過程を観察することができた(再帰的な深まり)。
出典:大脇和志・飯島裕希(2025)「高校生は探究学習のなかでどのように熟議したか ―高等学校公民科「公共」における授業のコミュニケーションの分析研究―」 『日本社会科教育学会全国大会発表論文集』第21号 第75回全国研究大会(茨城大学), p.117-118.
※2025年9月1日より、大脇和志氏の所属は宇都宮大学 - コンテンツ担当者・著者
-
お茶の水女子大学附属高等学校 飯島裕希
- 論文・教材本文
- 高校生は探究学習のなかでどのように熟議したか ―高等学校公民科「公共」における授業のコミュニケーションの分析研究―(2025年度 日本社会科教育学会第75回全国研究大会)
- 関連情報
- 「地方自治は民主主義の学校」に学校で取り組む―文京区と連携した「公共」大項目Cの実践事例―(2024年度 高校研究紀要 第70号)
この教材を閲覧したユーザーは以下の教材も閲覧しています
- 登録日時 2025-11-26 12:49:57
- 更新日時 2025-11-26 16:26:09
- ページビュー数 73回
